東海道新幹線とは・・・・・、という説明はもう、今さらいいですよね。1964年に開業して以来、脱線や衝突などの大事故を起こしていない、ゴールド免許更新中の超特急だ。
今年は3月15日のダイヤ改正に合わせ、ほぼすべての時間帯でのぞみを1時間に10本走らせる体制を整えた。もともと緻密なダイヤを、なぜさらに緻密にできるのか。
その答えは、さまざまな技術革新や設備強化の積み重ね。たとえば、新大阪駅の博多側に新たに引き上げ線を2本設置したことや、1999年に営業運転を開始した700系を、より走行性能の高いN700A(2013年営業運転開始)に順次置き換えていることなどが大きく効いているという。
2色に分かれた表示板
運行の模様を一覧できる総合表示盤が、横長の部屋の正面の壁一杯に拡がっている。左端が東京で、右端が博多だ。列車の位置、送電状態、橋の上での風の強さなどが一覧できる。表示盤は中央あたりで色が変っている。左のカーキ色のボードがJR東海、右の青いボードがJR西日本の管内である。つまり、左が東海道新幹線で、右が山陽新幹線だ。
JR西日本側の表示板は液晶化されているが、JR東海側のそれはアナログでなんともいい雰囲気である。表示板の左端、酒匂川あたりからは少し手前に折れ曲がっている。2003年10月、東海道新幹線品川駅が開業した際に、品川の情報を追加した関係だという。
向かって右の壁には、2011年に開業した九州新幹線の表示盤もある。さらにその脇には、新幹線の車内にあるのと同じようにニュースの流れる電光掲示板もある。
指令たちが向かう机にはいくつものモニターに電話(NTTとは別の独立した電話、いわゆる鉄電もある)、それにスイッチ類が並んでいる。スイッチの中には、透明な蓋がかぶせられたものもある。うかつに触れないようにしているのだろう。紙に向かって色鉛筆を動かしている指令も、思いの外、多い。
この指令所では、1勤務で74名の指令(JR東海41名、JR西日本31名、JR九州2名)が働いている。今日は全員が男性。それにしても静かだ。通常運行時の仕事の中心は監視であるため、騒がしくなる理由がない。
指令には大きく2つの種類がある。運輸系と工務系だ。運輸系は列車や乗務員など、動くモノを担当し、輸送指令(列車担当)、輸送指令(旅客担当)、運用指令に細分される。
24時間勤務の運輸系指令のためには近くに仮眠室が用意されていて、そこで、早寝(22時から)、中寝(24時30分から)、遅寝(26時30分から)に分かれて、4時間30分ほど休むという。その昔に辺見庸氏の芥川賞受賞作のタイトルとしても有名になった、布団の下の腰のあたりを空気で膨らませて人を起こす「自動起床装置」はもう使われておらず、目覚まし時計や携帯電話のアラームで起きるそうだ。
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