新幹線「札幌駅」、利用者無視のJR北海道案

「大東案」は現在の駅から離れすぎだ

2031年春の北海道新幹線札幌延伸をめぐって問題が起きている(撮影:今井康一)

「JR北海道が認可案にこれだけ抵抗する真意がわからない」――。

北海道新幹線の札幌駅プラットホーム問題に関する、鉄道建設業界OBの言葉だ。この人物は青函トンネル建設現場の管理者を経験し、その後は整備新幹線計画の調整役を務めた。現役引退後も当時の同志を集めて勉強会を開催。鉄道建設への提言を行っている。勉強会とひとくちに言ってもサラリーマンの交流会とは一線を画す。メンバーとその人脈はそれなりの影響力と情報を持っている。そんな人物でさえ、JR北海道の真意を測りかねるという。

地下案は反対多数で消滅

JR北海道は2月4日、都内で開催された北海道新幹線の札幌駅に関する協議の場で「大東(おおひがし)案」を正式に再提案した。この問題については、そもそも認可案が現駅在来線プラットホームであって、本来は覆すべきことではない。鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)はずっとこの案を支持している。しかしJR北海道側が「在来線の運行に支障がある」として了承せず、西側案、東側案を提案。いったんは現駅案、東側案で検討する形となった。

しかしJR北海道は、自ら提案した東側案に難ありとなると、こんどは地下案を繰り出した。国土交通大臣からも「良いのではないか」という言葉を引き出している。ところがこの案は鉄道関係の多数の識者より技術面、費用面、将来性の面で反対多数。札幌市内でこの問題を考えるシンポジウムが2度も開催された。北海道の月刊誌『クォリティ』『財界さっぽろ』も、学識経験者、鉄道に関する有識者の意見を添えて、反対姿勢を表明した。

「この動きを知った国交相は鉄道局に問い合わせ、地下案の不備は財務省にも知れ渡って、予算増額はまかりならん、となった」という。財務省、という部分は、今後、国交省と鉄道について考えるうえで重要ポイントとなるので、今回に限らず心にとめてほしい。

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