業界別なら劇的効果「ビッグデータ超活用法」 「オラクルインダストリーコネクト」現地レポート(2)

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賢く活用すれば、ビッグデータは21世紀の石油に?

続いて、ビッグデータのセッションが開催された。オラクルのソニー・サイ副社長が登壇し、21世紀の石油、新しい通貨などの呼称も使いながら、ビッグデータを紹介した。特に、事例として取り上げたのがGEの取り組み。飛行機に90のセンサーをつけ、情報を集め、飛行中のエンジン特性をチェックしているという。

これにより、より速く整備できるという。さらに、高度が違う、飛行状態の異なったデータを使ってエンジンの改善を進めている。もし、燃費を1%でも改善できれば、それだけで航空会社の赤字を消してしまうほどのインパクトがあるということだ。

ビッグデータのセッション。アメリカズカップで優勝した「チームUSA」関係者も

ビッグデータの活用は、「膨大なデータの中から真珠を見つける」ようなもので、その活用法が大きく問われる。このビッグデータセッションでは、ヘルスケア、金融、エネルギー業界のリーダーに加え、昨年秋のアメリカズカップで見事な逆転優勝を果たしたヨットレースの「チームUSA」メンバーも参加した。

まずヘルスケア業界から。「情報はある意味であふれるほどあるが、ある意味では足りない」と話すのが、UPMCのリサ・コーリー副社長。特に足りないというのが、患者に関する情報という。つまり、患者についての情報は陳腐化しているものが多いのだ。

そこで必要となるのは、データに関連性を求めることだという。また、世代による違いも出ているという。現状は「デジタル世代である若い人たちのペースでは運用できていない」とも話し、今後必要となるゲノム医療への対応にも積極的だ。その際には、データの活用、適用をさらに強化する必要があるようだ。

金融についてはどうか。「リスク回避にもビッグデータは有効」というのはCIBCのエグゼクティブディレクターのサム・ドトロ氏。例えば、詐欺。「クレジットカードでも第三者の詐欺を見つけるためにビッグデータを活用している。

疑いのある顧客の場合、『チャネルインタラクション』のデータをみて、詐欺を特定することができている」という。また、予測的なリスク分析もできるという。「これについてはたくさんのデータをもっており、アルゴリズムを構築している。顧客のデフォルト(債務不履行)率の多い地域では、融資を抑えることもある」ようだ。

もちろん金融機関は積極的なデータの活用もしている。たとえば、結婚した人の場合、新しくローンを組む可能性が高く、こうした人の情報は価値が高いという。もちろん、顧客情報は暗号化によるセキュリティも徹底しており、「ライフイベント、出産や離婚などの情報はデリケートな問題なので、非常に慎重に扱っている」(ドトロ氏)。

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