業界別なら劇的効果「ビッグデータ超活用法」 「オラクルインダストリーコネクト」現地レポート(2)
もちろん大企業ではないため、こうした情報分野には「かしこく予算を割かなければいけない」(マクリーコナーCCO)。そこでITのなかでもインフラ面に重点的に投資をしている。「顧客のほうがデジタル化が進んでいるし、欲しいものが明確」だという。
一方、小売り業界からは、東部の小規模都市中心に、衣料関連の店舗を約900店展開するステージストア社のスティーブン・ハンターCIOが発言した。
「小規模な町の店舗の場合は、店長がお客さんの名前まで呼べるほどで、お客さんも、店に行くのを楽しみにしていたりする。一方で、都市の店舗ではスピードが求められる。お客さんは速く買いたいという意識が強い」と、地域によってサービスを変えて対応しているという。いずれにしても、共通なのは、店で悪い体験をした場合は、致命的なダメージになってしまうということだ。
通信からはニュージーランドの2ディグリーズ・モバイル社の取り組みを、同社のクリス・ホールCIOが話した。「マトリックスをたくさん使って、顧客が携帯電話をどう使っているか調べている。どんなタッチポイントがあるか見極めようとしている」。そのうえで「リアルタイムのフィードバックをもらい、かなりパーソナル色の濃い情報によって、どの程度満足しているか、その度合いを捉えようとしている」という。
幸いにして、いいフィードバックが多いそうだ。それでも、もっとやれることはたくさんあるはず。「ソーシャルメディアのチャネルももっと活用したい」と意欲的だった。
さらに、ヘルスケア業界も顧客サービスに意欲的だ。「中途半端にCXに取り組んではダメ」というのは、ワシントン州に本拠を置くグループヘルス社のグウェン・オキーフェ副社長。「すでに診察の予約をするときから、顧客の経験は始まっている」と心構えも高い。
患者の生死にかかわる場合も多いので、それだけ神経質にもなるようだ。「患者は測定値より経験を重視する。患者がいい経験をすれば、治療プランも機能し、薬もちゃんと服んでもらえる。逆にそれが機能しないと、ドロップアウトしてしまう」(オキーフェ副社長)。いい治療をするためにも、それまでのプロセスも重要になるようだ。そして、SNSについてもフェイスブックやツイッターはもちろん見ているが、それ以外も見る必要があると話した。
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