マイクロソフト、クラウドでの巻き返し誓う オラクル「オープンワールド」現地レポート(3)
米国カリフォルニア州サンフランシスコで、日本オラクルの親会社・米オラクルコーポレーションの主催で開かれているIT業界最大のプライベートイベント「オラクルオープンワールド2013」。
3日目を迎えた9月24日は朝8時(現地時間)から、同イベントを主催する米オラクルコーポレーションのトーマス・クリアン副社長らによるクラウドビジネスに関する基調講演(キーノート)がスタート。EMCコーポレーションのジョゼフ・トゥッティCEOの講演もあったが、この日の注目は、オープンワールドの場では初めて基調講演を行うマイクロソフト、そして、オラクルのラリー・エリソンCEOによる2回目の基調講演だった。
マイクロソフト、クラウドに見せる本気度
24日の午後1時半からのキーノートには、おそらく今回のイベントで最も長い、開場を待つ列ができた。マイクロソフトによる初めての基調講演、そして、人気者のエリソンCEOという豪華組み合わせに、開場前からロックバンドのライブ会場のような雰囲気に包まれた。エレクトリックギターの轟音がBGMのように響き渡り、場内をいくつもの赤いスポットライトが明滅するなど、派手な演出が仕掛けられた。
まず、登壇したのが、マイクロソフトのブラッド・アンダーソン副社長。6月にオラクルとクラウドでの提携を発表したばかりの同社だが、その詳細と新たな提携を発表した。オラクルとマイクロソフトは長い間にわたる競争相手。特にオラクルデータベースとマイクロソフトのSQLサーバーは、まさに市場で激突する関係だ。ただ、今回はマイクロソフロのクラウド「アジュール」にオラクルデータベース12cやリナックスが使えるようになった。
アンダーソン副社長は、「パブリッククラウドに移行しようとする場合に、ストレスなくできるようにしたい」と狙いを語った。「そのためにアジュールを全世界で構築していく」と、アマゾンなどに比べ出遅れている感じのあったパブリッククラウド分野での巻き返しを誓った。その強力な武器と位置づけるのが、オラクルとの提携だ。
アンダーソン副社長は「世界のサーバーの4台に3台がウインドウズサーバーだ」と胸を張ったうえで、そこで、どんな負荷がかかっているかを説明した。「一番大きいのがウェブとデータベース。データベースではオラクルのワークロードが最も多く使われている」と、ウェブとともにデータベースの重要性を強調。そして、圧倒的な競争力を持つオラクルのデータベースが自らのクラウド上に完全な形で乗ることの意義を説明した。
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