テレ朝も活用、最強クラウド「アマゾン」 W杯番組連動企画も奏功、深夜でも連打3億回超

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クラウド市場で席巻するアマゾン。基調講演で登壇した米アマゾン・ウェブ・サービシズのジョー・リヨン氏

クラウド市場でアマゾンの席巻が続いている。サーバー投資につきまとう需要予測が不要なクラウドは、急激に利用者を増やしている。

企業が自身でデータを蓄積しようとすると、データセンター、電源、冷却、ケーブル敷設、ラック、運用、格納(ストレージ)などのコストがかかるが、クラウドなら費用はストレージ分だけ。それも使った分だけ払えばいいため、利用者が膨らんでいる。なかでも、アマゾン子会社のアマゾン・ウェブ・サービシズ社(AWS社。クラウドサービスの名称はAWS)が、相次ぐ値下げと週3本ペースで追加されるサービスを武器に、急激な伸びを見せている。

9月13日、アマゾンは、「AWS Cloud Storage Day」を開催。今回はクラウドのなかでもストレージを中心としたプログラムとなった。基調講演では、アマゾン側の講師に加え、テレビ朝日のコンテンツビジネス担当者が講演を行ったほか、個別セッションでは、東急ハンズやリクルート、テレビ東京の担当者による事例紹介、さらにAWS上で動くソフト「シェアポイント」を、ライバルでもある日本マイクロソフトの担当者が登壇して紹介する場面もみられた。

ストレージに的を絞りアピール

今回、アマゾンが力を入れて紹介したサービスは、アマゾンS3、グレイシア、EBS、AWSストレージ・ゲートウェイの4つ。それぞれの優位点と連携を解説した。特に、その主力サービスとして紹介されたのが、S3だ。

必要な機能に絞って、日常的に使うサービスを得られるのがS3。使った分だけフィーが発生するが、その内訳は格納(ストレージ)、リクエスト、データ転送の3つのサービスについてとなる。ただ、格納というところで、あまり使わないデータであれば、グレイシア(氷河)という低料金のサービスも用意しており、それとの連携も紹介した。

いずれもクラウド業界では群を抜く低価格といえる。それも34回に及ぶ値下げにより、他社の追随を許していない。AWS社のシニアマネジャーであるジョー・リヨンズ氏は、「あえて薄利多売のビジネスを行っている。特にアマゾン・ドット・コムからそうしたビジネスモデルを受け継いでいる」と、ハイボリューム、ローマージンのビジネスモデルの徹底を強調する。

AWS社はグローバルにデータセンターを整備しており、5つの大陸に9つのリージョンを用意している。アジア・パシフィックには、東京、シンガポール、シドニー(豪州)の3カ所にデータセンターを置く。データセンターは米国ではバージニア、オレゴン、北カルフォルニア、南米ではサンパウロ(ブラジル)、欧州ではアイルランドなどに置かれており、顧客企業のグローバル展開にも対応できることをアピールしている。

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