マイクロソフト、クラウドでの巻き返し誓う オラクル「オープンワールド」現地レポート(3)
マイクロソフトは今回、オラクルがサンマイクロシステムズから引き継いだプログラミング言語のJavaもアジュール上で使えるようにした。さらに購入済みのオラクル製品のライセンスをそのままアジュールでも使えるようにして、基本ソフトのリナックスもサポートすることを正式に決定した。
ウィンドウズの対抗軸にあったソフト群が、アジュール上で動くようになることは大転換である。それほどまでに、アマゾンWS(クラウドサービス大手、米アマゾン子会社)の勢いが強かったといえるが、マイクロソフトが本格的にパブリッククラウドに舵を切ったと見る業界関係者も多いようだ。
ラリー・エリソン、まさかのドタキャンの理由は…
そして場内が待ち望んだ、IT業界のスーパースター、ラリー・エリソンCEOの登場。と思いきや、場内で説明されたのは、「アメリカズカップのスケジュールが変更になり、トーマス・クリアンに彼のキーノートをやってほしいと。ラリーはまだヨットに乗っているそうです。ラリーは非常に申し訳ないと。同時2カ所にいることができず非常に申し訳ないと言っています」。
今回のイベントと時を同じくして、ちょうどサンフランシスコで開催されているアメリカズカップ(160年の歴史を誇る国際的なヨットレース)で、一時は1勝8敗の崖っぷちまで追い込まれたチームオラクルUSAは奇跡的な巻き返しを見せている。オラクルがメインスポンサーとなっている同チームを応援するため、試合中はエリソンCEOがヨットに居続けているため基調講演に来られない、という説明に、場内からはため息がもれた。
エリソンCEOの代わりを務めたのは、朝8時から基調講演を行い、10時10分からはプレス向けのブリーフィングもこなした鉄人、トーマス・クリアン副社長。真面目に淡々とクラウドサービスの説明を始めたが、場内からは中途で立ち去る人も目立った。
それだけエリソンCEOの人気が絶大であることを実感させた。故スティーブ・ジョブズのアップル復帰を手伝い、その後しばらくアップルの役員であったこともあるエリソンCEO。同氏は1977年のオラクル設立以来トップであり続け、そのIT技術に対する深い知識や予言ともいえる見通しにはファンも多い。シリコンバレーの生きる伝説ともいえるスーパースターが、ヨット上でアメリカズカップの応援をしている姿は、当日の夜のテレビなどでも報道され話題を集めた。
現地レポート(4)に続く
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