異例の廃止「妊婦加算」とは結局何だったのか 2018年4月に導入も、今年4月以降の廃止決定

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4月以降の廃止が決まった「妊婦加算」。廃止に至るまでの経緯をみていきます(写真:pearlinheart/PIXTA)

2018年4月に導入された「妊婦加算」は、少子化対策に逆行するなどの反発をきっかけに、2019年1月から凍結されていましたが、2020年2月に、4月以降の廃止が決まりました。ここでは、妊婦加算が廃止に至った経緯をみていきたいと思います。

そもそもなぜ導入されたのか?

まず、簡単に「妊婦加算」を振り返ってみましょう。

妊婦加算とは、胎児に配慮した適切な診療など、周産期医療の充実のために、2018年4月から導入された診療報酬の項目です。

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妊婦の外来受診においては、胎児への影響に注意して薬を選択したり、妊婦にとって頻度の高い合併症や診断が困難な疾患を念頭においた診療が必要とされます。

通常よりも慎重な対応や胎児への配慮が必要であることから、妊婦を診察することに消極的な医療機関があると言われています。

産科医は、ほかの診療科に比べて労働時間が長くなる傾向があり、医師の数もあまり増加していません(厚生労働省「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」議論のまとめ(2019年6月)より)。

さらに、産科医でなくても治療が可能な病気の妊婦までが紹介され、過大な負担がかかっていることが問題となっているため、診療報酬で評価することによって、産科以外の妊婦の診療に積極的に取り組む医療機関を増やそうとしたのです(詳細:2018年11月配信のこちらの記事『妊婦が診察料を「高く」払わされる根本理由』)。

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