マスクや人手不足が深刻化「介護業界」の苦悩

業界団体も積極的に対応策を検討している

介護業界では、新型コロナウイルスの影響で介護崩壊が起こりかねないと危機感を募らせ、対応に追われる日々だ(写真:Mills/PIXTA)

「致死率はそんなに高くない」「若い人は寝ていれば治る」……などと言われていることから、さほど心配する必要はないなどの声も聞かれる新型コロナウイルス。

しかし、感染すると高齢者ほど重症化しやすく、生命の危険に関わることから、高齢者向けの介護サービスを提供している介護業界では、危機意識がかなり高まっている。今、介護業界が直面する課題やその対応策について取材した。

具体的な影響は…?

新型コロナウイルスが介護業界に与えている主な影響について見てみよう。

まず、人手不足だ。安倍晋三首相は2月27日、全国すべての小中高、特別支援学校を対象に、3月2日から春休みまで臨時休校を行うよう要請。これにより、介護業界で多く働いている短時間労働者が子どもの面倒をみるために仕事を控えるようになった。

従来から介護業界は深刻な人手不足に悩まされていたが、今回の休校により欠勤する職員が多くなり、一部の職員に残業や休日出勤が集中。身体が疲れ、ストレスや心労が増しているといった影響も出ているようだ。

衛生用品の不足も深刻だ。介護事業所では、マスク、消毒用アルコールなどの衛生用品の使用が常時不可欠であるが、一般社団法人全国介護事業者連盟(以下、介事連)が加盟事業所などを対象に、3月3、4日に実施した「新型コロナウイルス感染症に係るマスク等衛生用品不足についての『緊急調査』」結果によると(有効回答:1610事業所)、マスクは約90%の事業所で3月分の使用量が確保できておらず、半数以上の事業所で通常の半分以下しか確保できていない状況だ。

消毒用アルコールについても、「すでに在庫がなくなっている」と回答した事業所が約25%に上った。一部の自治体では、介護施設などへ優先的に配布を行っているが、まだ十分とは言えないようだ。

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