コロナショックが人の生活をここまで蝕む根拠

需要×供給×金融の危機が経済を痛めつける

マスクをして通勤する人々(撮影:尾形文繁)

新型コロナウイルスの感染拡大によって金融市場の混乱が続いています。

私は、新型コロナウイルスに関連して、「『日本のコロナ対策』間違えてはいけない戦い方」(3月9日配信)、「コロナショックが招く『経済危機』最悪シナリオ」(3月14日配信)、「コロナショックから日本を守る経済対策の要諦」(3月18日配信)と続けて論じてきました。

その後、金融市場では為替、国債、金、その他ほぼすべてのものがドルに対して売られることでドルの独歩高となってきており、いわゆる「悪いドル」が発生している状況になっています。「悪いドル」と呼ばれるのは、ドルが真に評価されてのものではなく、そこにさまざまなリスク要因が内在していることを意味しています。

本稿では、コロナ危機が深刻度を増しているなかで、金融市場で起きていることをひもといたうえで、コロナ危機が金融危機に陥るリスクシナリオを、「証券化商品にかかわるシステミック・リスク」と「流動性リスク」という2つの側面から、私自身の金融の実務家として経験した2つの危機(アジア通貨危機とリーマンショック)での出来事を踏まえて考察していきます。

 証券化商品にかかわるシステミック・リスク

現在、アメリカ市場では、利回りが高く信用格付けが低いハイイールド債、レバレッジドローン(信用力が相対的に低い企業に対して行われる融資)、CDO(債務担保証券)、CLO(ローン担保証券)などが金融市場におけるリスク要因として注視されています。

それは、リーマンショックの際にはこれらがリスクの震源地であったことから、今回のコロナショックにおいても同様のリスクシナリオが顕在化することを投資家やマーケットが恐れているからです。

まず、証券化商品の基本構造を簡単に押さえておきましょう。証券化商品は本来複雑な金融商品ですが、ここでは3つの特徴を示します(図表1)

(外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があるので、その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

次ページ証券化商品の基本構造
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