「新型コロナウイルスによる介護業界への影響は、地域によっても差がありますが、北海道やデイサービスの休業要請が発せられた名古屋市南区・緑区では、深刻な事態になっています。
新型コロナウイルスが今後どうなっていくのかは、専門家ではないのでわかりませんが、WHOをはじめとして専門機関では、長期化する可能性があると言っています。可能性があるのであれば、そのリスクを管理するために、深刻な事態が全国に広がっていくという前提で対応策を考えていかなければなりません」(斉藤専務理事)
深刻な事態が全国に広がれば介護崩壊が起こり、社会が大混乱する可能性もある。だから介護業界は今、緊急事態を迎えているのだという認識を持って、しっかり取り組んでいく必要があるという。
マスクなどの衛生用品不足の問題については、先に見た「マスク等衛生用品不足についての緊急調査」結果を政府に情報提供するとともに、「衛生用品がより重要な高齢者施設において、優先的に確保できる体制の構築や、衛生用品の確保や施設消毒に際してかかる費用の助成金を設けてもらうなどの具体策の検討をお願いしました」(斉藤専務理事)。
厚労省でも動きが
厚生労働省も動きが出ている。デイサービスへの休業要請により事業所の売り上げが急減した問題については、厚労省は2月24日に、「デイサービスの職員による訪問サービスを提供することによって、デイサービスの報酬算定が可能」との通達を出した。
しかし、この通達が適用されるのは、事業所を閉鎖した場合に限られており、「利用者やそのご家族の中には通所サービスの継続ができなければ生活に大きな支障の出る方もいる」(斉藤専務理事)。そのため介事連は、通所サービスと訪問サービスを併用して使う場合にも適用できるようにしてほしいなどの「緊急要望書」を3月3日に厚労省に提出。3日後の3月6日、同省は併用の場合も適用することが可能との通達を発した。
このことにより、すでに休業要請を発せられた名古屋市南区・緑区に限らず、新型コロナウイルス問題での利用控えによって売り上げが激減している事業所においても、通所サービスを希望する人には通所を、通所利用を控えている人には訪問サービスを提供することが可能になった。
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