東出昌大の謝罪会見に見えた慢心と聡明の矛盾

「お答えできない」連発は本当に失敗だったか

「子どもの声を聞くと、父親として感じることもあるのでは?」に、「まだ子どもは小さく、事態をすべて把握しているとは思いません。ただ私がこういう仕事をし、妻がこういう仕事をし、子どもたちが大きくなったら、父の犯した過ちをいずれ知ると思います。自身の犯した過ちを後悔しない日はありません。ですが、子どもたちが大きくなった時に、これ以上情けない思いをさせないように、今後の日々は最善を尽くしながら生きていこうと思っています」。

このコメントは囲み会見の中で最も冗舌に見えました。その理由は子どもたちに対しての思いはもちろん、子どもたちのことを最優先に考えて話す機会を作ってくれる妻への謝罪と感謝、さらには決意表明だったのではないでしょうか。

「おごりと慢心の公私混同」がリスクに

ビジネスパーソンの学びになる部分は、これ以降のコメント。「どうして過ちを犯してしまったのか?」という質問に東出さんは、「仕事でも、私生活でも、おごり、慢心、そのようなものがありました」と率直に自分の愚かさを認めました。

また、「バレないという気持ちがあったのか?」という質問に「本当に自分勝手でした」、「バレて『会わない』という約束をしたあとも関係を続けた理由は?」という質問に「やはり自分のことしか考えていなかったんだと思います」とコメント。「言い訳を一切交えず、自らをひと言で断罪する」という受け答えは、謝罪会見の基本と言えるものです。

芸能人に限らず、仕事の実績が上がっているときほど、自分に自信がついて「周囲より能力が高い」と感じるときほど、おごりや慢心を抱きがちであり、それは往々にしてプライベートにも波及するもの。「公私はきっちり分けている」と自負している人でも、仕事時の自信あふれる振る舞いをプライベートの場でもしてしまい、おごりや慢心を感じさせる人は少なくありません。「自分は仕事ができるからこれくらいのことは言ってもいいだろう」「仕事で実績を挙げているから不倫くらいしてもいいよね」という公私混同がトラブルの起点となってしまうのです。

また、東出さんのような芸能人に限らず、一定の成功を収めているビジネスパーソンも、周囲からはおごりや慢心の公私混同をつけ込まれやすい立場。週刊誌から追われるほどの有名人でなくても、社内や業界内でのリーク、なかでも真偽の入り混じった誹謗中傷を吹聴されやすい立場であり、「アッという間にその立場から追いやられてしまう」というリスクは自分で思っている以上に高いものがあります。

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