東出昌大の謝罪会見に見えた慢心と聡明の矛盾 「お答えできない」連発は本当に失敗だったか

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すかさずある記者が「夫婦生活を続けていきたいのか? 離婚の方向にいくのか? どちらだと思うのか」と続けると、東出さんは「先ほど申し上げたことと重複しますが、今日カメラの前で私の希望や意思をお伝えすると、テレビを見た妻を必ず傷つけることになってしまうので、申し訳ありませんが今はお答えできません」と神妙に語りました。記者が続けざまに「関係を修復したいか?」と畳みかけても「申し訳ありませんが、お答えできません」、「杏さんはどういうお気持ちなのか?」と食い下がっても「彼女の発言やそのときの雰囲気を私が今ここで代弁することはできません」と繰り返したのです。

また、浮気相手の唐田さんに対する「今でも好きなのか?」という質問にも、「申し訳ありませんが、お相手のこともあるので。私の心の内を今ここでしゃべることは妻を傷つけることになると思いますので、申し訳ありません」と妻への配慮を優先させました。

子どもへの思いが最も冗舌だった理由

これらのコメントは「逃げている」というより、本当に杏さんへの心理的影響を考えてのことでしょう。今の東出さんが何を言っても杏さんの負担になると思い、それを避けるために「逃げた」と自分がさらに批判を受けるほうを選んだのです。

そもそも今回のように謝罪すべき内容が知れ渡っているケースでは、正直に話したほうが「記者たちの追及を想定レベルで止められる」など楽であり、“イメージダウンの下げ止まり”を作れるもの。また、これだけいろいろ報じられていれば、その内容がすべて真実ではなく、釈明したいところもあったでしょうが、グッとのみ込んでいる様子が伝わってきましたし、「妻を最優先に考えて批判されることに徹する」というワンスタンスは、公開謝罪の場としてはベターなものでした。

東出さんは子どもたちに対しても、「裏切りから一生消えない傷を負わせてしまったと思います。妻と子どもたちから、私の過ちでさまざまな幸せを奪ってしまいました」と後悔の念を話しました。

記者たちを驚かせたのは、「(子どもたちとは)別居してから会えていません。しかし、毎晩のようにビデオ通話をしてくれて。子どもはまだ小さく携帯電話の操作ができないので、妻が代わってしてくれています」というコメント。これで記者たちの「ここを掘り下げろ!」というスイッチが入り、東出さんは子どもたちへの思いを語ることになりました。

「どんなやり取りをしていますか?」に、「詳しくは申し上げられないのですが、子どもたちの姿は『かわいいな』という思いと、『申し訳ないな』という気持ちの両方を抱きます」。

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