東出昌大の謝罪会見に見えた慢心と聡明の矛盾 「お答えできない」連発は本当に失敗だったか
3月17日、唐田えりかさんとの約3年にわたる不倫騒動後、東出昌大さんが初めて公の場に登場。記者たちの囲み取材に応じて謝罪したことで、多くの反響が見られます。
その中には、「東出『お答えできない』連発」「『やらないほうがよかった』会見の評判」といった否定的な記事が多く、読者のコメント欄にも「人ごとのよう」「はぐらかしていた」「妻より浮気相手のほうが好きなことがわかった」などの否定的な声が多数派でした。
しかし、人間関係のコンサルタントであり、クライシスコミュニケーション(危機管理広報)の講師も務める私から見たら、東出さんのコメントは「今できることを最大限の配慮でやり切った」、そつのない受け答えだったのです。
また、東出さんの話した言葉から、芸能人に限らず仕事のできるビジネスパーソンほど陥りやすいリスクが浮かび上がってきました。それは単に「ひどい不倫をしていたから叩けばいい」のではなく、「その姿からどう学ぶかを考えるきっかけ」と言えるものなのです。
「誰のために謝るの?」を真っ先に
批判の声にあったように東出さんが「お答えできない」というフレーズを多用したのは間違いありません。しかし、東出さんは冒頭から、そういう話し方になることと、その理由を記者たちに伝えていました。
まず「この度は、お仕事の関係者のみなさまに多大なるご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした」と謝罪しつつ、「最も謝罪しなければならないのは『妻に対して』だと思っております。妻には直接謝罪の気持ちを伝えてまいりたいと思います」と、真っ先に自分が謝罪すべき相手を明言しました。これで「けっきょく誰のために謝っているの?」という謝罪時に批判されがちな要素を1つ排除することができていたのです。
さらに東出さんは「いろいろなお仕事の関係から、このような機会を設けることが遅くなりました」と公の場に出るのが遅くなった理由を簡潔に話しました。主演ドラマなどの事情があったはずですが、言い訳がましく長々としゃべることを避け、それよりも「今日カメラの前で私が何かを発言することによって、これ以上妻を傷つけたくありません。ですので、お答えできることに限りがあるとは思いますが、よろしくお願いします」と、再び妻を最優先したい意向を明かしたうえで、深々と頭を下げたのです。
続いて東出さんは記者たちからの質問に答えました。最初の質問は「妻の杏さんと話ができたか?」。東出さんはドラマの撮影が終わったあとに話ができたこと、その話し合いが今後も続くこと、具体的なことは何も決まっていないことを明かしました。
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