自転車ロードレースと組織で働く社員の共通点 映画「栄光のマイヨジョーヌ」に学ぶ組織の形
映画の監督を務めたダン・ジョーンズ氏は、「単なる自転車競技についての映画ではなく、ヒューマン・ストーリーだ。登場人物たちと感情を分かち合い、夢を実現するための決意と犠牲を知ってもらいたい」と述べている。
プロ入りの道が閉ざされるほどの大ケガをしたが、回復を見込んでグリーンエッジが契約、最終的にはチームのエースとして活躍するまでに至ったコロンビア人レーサー・エステバン・チャベスや、挑戦15回の末に「クラシックレースの女王」と呼ばれる世界最高峰のワンデーレース・パリ~ルーベを制したマシュー・ヘイマンらが結果を出すに至るまでの過程など、まさに人間ドラマにふさわしいストーリーを、チームの目線を交えて散りばめている。
さらにチームのあり方という点では、2013年のツール・ド・フランスのシーンが象徴的だろう。ツール・ド・フランスでは、その時点の首位の選手が着用できる「マイヨジョーヌ」(黄色いジャージ)を1度でも着用することが名誉の1つになっている。そのジャージを着用していたチームのエースであるサイモン・ゲランスが、南アフリカ人レーサーであるダリル・インピーにマイヨジョーヌを譲り渡した「出来事」は、スポーツではロードレースでしか見ることのできないシーンの1つだ。
会社組織にも通じる、「ビジョンの共有」
そしてオーストラリア人ならではのノリもあるが、底抜けに明るいチームの姿を数多く映し出している。この映画の日本での配給を担うピクチャーズデプトの汐巻裕子代表取締役は、「ロードレースのルールはわからなかったが、伸び伸びやっている選手やコーチの映像を見て、こういう雰囲気を日本人にすごく伝えたいと思った」と語る。
アシストがエースを勝たせるためにあらゆるサポートをし、チームを成功に導くというのは、会社組織にも通じる部分がある。もちろんアシストした社員の仕事が、成績を出していなくても評価することが前提になる。
「プロとしてロードレースに携わる人たちは、目指しているものは、残さないといけない成績がどんなもので、それをするために何をしないといけないかを考えている。会社でいってみればビジョンの共有ができている」(別府氏)
まさに、会社組織に通じる部分といえるだろう。
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