英語の発音矯正に役立つ「Siri」の意外な活用法 うまく英語を話すためには「筋トレ」も必要だ

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「たまたま言えるときがある」程度では、その発音ができるようになったとは言えない。百発百中で反応してくれるまで1カ月ほどかかったが、僕は「Siri」で発音を矯正することに成功した。

完璧に言えるようになるまでの1カ月間、本当に毎日言い続けた結果、僕は予想以上に大きなリターンを得た。

それは、ほかのすべての英語発音もうまくなったということだ。誇張ではなく、とくに集中して練習したわけではないほかの英単語に関しても、発音の向上を感じるようになった。「英語をうまく話すための筋肉」がついたのだ。

僕はこれを「Girl World 筋」と呼んだ。とくに“r”などは、日本語ではありえない舌の動かし方、息の使い方をするため、「英語発音用」の筋力が必要になる。

とはいえ誤解してほしくないのは、実際の発音の際に、口のどこかを力ませる感覚はない。むしろかなり力を抜いて、軽やかに話している。これは、筋トレをして筋肉をつけると、いままで重かった荷物が軽々と持ち上がるような感覚と同じだ。

発音ができれば「リスニング力」も上がる

また、発音ができるようになれば、リスニング力は自然と上がる。リスニング練習と聞くと「音声教材を繰り返し聞く」「映画を見る」といったイメージがあるかもしれない。しかし、聞き取れない音を何度聞いても、それは「聞き取れないまま」ではないだろうか?

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極端な例だが「アラビア語」に何も知識のないあなたが、今日から「アラビア語」を勉強するとしよう。この状況で、「ではリスニング力を伸ばすためにアラビア語の映画を繰り返し見よう」となるだろうか? おそらく100回見ても、永遠に聞き取れるようにならないと思う。

なぜなら、「単語の意味」と「その単語がどんな音で発音されるのか」を事前に知っていないと「聞き取る」段階に至らないからだ。つまり、リスニング(=聞き取る力)を向上させたいのなら「自分がその単語の意味を理解し、発音することができる状態」を事前に作っておく必要がある。逆に言うと、正しく発音ができれば、その単語は聞き取れるのだ。

また、発音練習したほうがいい理由はほかにもある。それは、発音がよくなると英語を話すのが楽しくなるというものだ。

英語の勉強は楽しいが、ずっと続けていると、次第に初めの頃に感じていた新しいことを学ぶワクワク感を忘れ、伸び悩む時期が訪れる。しかし、そんなときこそ初心を思い出そう。

勉強を始める前、流暢に英語を話す人を見て「いいなあ。かっこいいなあ」と思ったことが、皆さんにも一度はあるのではないだろうか。

勉強に行き詰まりを感じた人こそ発音を練習し「憧れの英語が自分の口から出てくる状況」を純粋に楽しんでみよう。楽しいものは自然と継続できる。発音練習とは、英語学習における「エンタメ」だと思う。

新井 リオ Designer/Illustrator

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あらい りお / Rio Arai

1994年生まれ。立教大学社会学部卒。19歳から独学で英語とデザインを学ぶ。2016年カナダに渡り、フリーランスデザイナーに。「英語日記」による勉強法をつづったブログが、約2年にわたり「英語 独学」Google検索1位(累計300万PV)を記録。ロックバンドPENs+のボーカルとして、2012年に日比谷野音で開催された閃光ライオットに出場。

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