「毎日3つ選ぶ」メソッドを1カ月やってみた 「ピック・スリー」実践で気づいた本当の自分

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いちばん遠ざけていた「運動」のこなしかたを考えると、そもそも「なぜ運動したいのか」という動機に改めて思いをはせることにもなった。体力をつけたい。スタイルをよくしたい。それはもちろんだが、もっと深い動機があった。

私が運動をしたい本当の理由は…

私は子供の頃から体育が苦手で、徒競走では最下位しか経験がない。それで自虐ネタとして虚弱体質と運動音痴を「売り」にする癖がつき、「いかにも運動しそうにないキャラ」に自分を固定化していたのだ。

ところが実際は、運動不足のために背中が痺れるほど血行が悪く、マッサージで「筋肉が老人のように萎縮してます」と言われる始末。それを「肉体年齢70代なの~」などとまた自虐ネタにしていた。

だがそれは、向き合いたくないがゆえの逃避なのだ。笑っているけど、ネガティブ。この自虐ループをよしとする態度が、ほかのいろんな部分にも影響している気がしていた。

今回「ピック・スリー」を実践することで、忘れていた深い動機――「ネガティブな自虐ループから脱出する!」という意欲がよみがえった。このことが、私にとっていちばん大きな出来事でもあった。

この先、目標を20km、25kmと伸ばせるか、毎朝10km走れるようにまでなれるのか。それは、よみがえった動機を、アンバランスな選択の中にどううまく織り込んで、日常化してゆくかにかかっていそうだ。

決して完璧でない自分を育てていく。その第一歩は踏み出せた気がする。「ピック・スリー」、あなたも始めてみてはいかがだろうか。

泉美 木蘭 作家・ライター

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いずみ もくれん / Mokuren Izumi

1977年三重県生まれ。24歳でイベント企画会社を起業し、即刻倒産。借金返済のために働く日々をつづったWebサイトが話題を呼び、作家デビュー。以降、週刊誌やWeb媒体等で執筆。TOKYO MX「モーニングクロス」「激論!サンデーCROSS」などテレビ番組でレギュラーコメンテーターとして出演。著書に『オンナ部』(バジリコ)、『エム女の手帖』(幻冬舎)、『会社ごっこ』(太田出版)等。趣味は合気道とラテンDJ。

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