元楽天の30歳が挑む、動画界の「価格破壊」 映像クリエーターをたばねるViibarの潜在力

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課題は、受託からプラットフォームへのシフト

先に図解したように、現状のViibarのビジネスモデルは「プラットフォーム型」と「プロジェクトマネジメント型」に分かれる。動画制作は複雑であるがゆえに、プロジェクトマネジャーが入る必要もあり、Viibar自身がプロジェクトマネジメントを手掛ける例もある。しかし、プロジェクトマネジメントを請け負っていたのでは、率直に言うと受託制作会社と変わらない。

「投資家にも受託で終わらないでくれと言われています。実はプロジェクトマネジメントに入ったほうが利益率は高くなります。しかし、毎回、プロジェクトマネジメントしていたのではスケールのスピードが上がりません。いかにプラットフォームとして機能するかが今後の課題です」

今後の拡大が見込める法人向け動画制作市場で、中間業者の多重下請け構造を失くし、動画制作単価を下げ、クリエーターの実入りを上げる。そんなプラットフォームとしてViibarが機能していくのか、今後も注目したい。

【梅木雄平のスタートアップチェック (各項目を1~5で採点)】
●経営陣:4.1 上坂氏は非常にストイック。そのストイックさはリブセンスの村上氏を彷彿とさせる。
●市場性:3.7 国内動画広告市場は数年内に1000億円に上るといわれており、そのうちの数百億円は動画制作市場になるといえる。今後の成長分野ではある。
●利益率:3.5 プラットフォームとして機能すれば利益率は上がるだろうが、動画制作の複雑さゆえ、当面はプロジェクトマネジメントをする必要性が高い。プロジェクトマネジメント不要な体制へのシフトが現状では見えにくく、スケールとの兼ね合いから低めに見積もる。
●競争優位性:4.2 動画制作は複雑であり、さまざまな種類の映像クリエーターをそろえる必要がある。映像クリエーターの登録を伸ばせれば、複雑さゆえに総合型クラウドソーシングがカバーしにくく、高い競争優位性を築けると感じる。
●海外展開力:3.2 アーリーステージである現段階では見えにくい。まずは日本での足固めから。一般的にはクラウドソーシングは海外だと日本人への発注よりも単価が下がりぎみであり、海外展開は不利だといわれている。海外にはPoptentという動画制作クラウドソーシングがあるが、発注者のオープンな募集によるコンペ方式であり、クリエーターの負担が大きく持続可能なモデルではなさそうだ。総合型のoDeskのような巨大クラウドソーシングが動画特化型ではまだないため、海外の映像クリエーターの登録を増やせれば、海外も立ち上がるかもしれない。
●総合点:3.7 映像クリエーターを囲い込んでいる点に競争優位性があり、成立しにくいと思われるバーティカルクラウドソーシングの中では可能性を感じる。複雑な動画制作のオペレーションをいかに簡略化し、発注単価の相場を下げ、プラットフォーム化できるかが成功のカギといえるだろう。
●予想EXIT:2018年くらいの上場
注:時期的に遠いので、上場時推定時価総額予想は控えます。
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