元楽天の30歳が挑む、動画界の「価格破壊」 映像クリエーターをたばねるViibarの潜在力

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  スタートアップという言葉が日本でも定着し始めてきた。スタートアップのサービスは目新しいサービスに見えても、そのビジネスモデルは何種類かに分類することができる。本連載では、そのサービスの事業領域の成長性とあわせて、ビジネスモデルを紹介していく。
 動画関連特集第2弾は法人向け動画制作に特化したクラウドソーシングサービスViibar(ビーバー)を紹介する。同社は2014年2月にグロービス・キャピタル・パートナーズとグリーベンチャーズから約3億円を調達している。Viibar代表取締役の上坂優太氏に話を聞いた。

ブラックボックスの価格体系

スマホ時代によりYouTubeを中心とした動画視聴時間が伸び、オンライン動画市場が拡大することは明白である。The StartupのDENNOOの記事で紹介したとおり、今後はTVCM中心に出稿していたブランドマーケティング型広告主の広告予算オンライン化率が上がり、動画広告市場の拡大が見込まれる。

上坂氏はTV番組制作会社での勤務経験があり、業界の非効率性を感じていた。コンテンツ制作側が搾取される構造にあり、動画流通の市場の仕組みを作り、その構造を破壊したかったという。

既存の動画制作とViibarのモデルを比較すると、このようになる。

簡潔に既存の動画制作の商流を図に示したが、実際には代理店やプロダクションが複数入る多重下請け構造となっている。中間業者の分だけ最終的なクリエーターの利益が損なわれる。Viibarは動画制作のプラットフォームとなることで、中間業者を極力減らし、クリエーターの利益を最大化したいと考えているようだ。

動画制作の価格はブラックボックスになりがちだったが、同社では30万/60万/100万円の3つのプラン+オーダーメードという料金体系を敷いている(今後、価格体系の変更はありうる)。制作コストに関しても、今までは機材やスタジオが必要だったが、インターネットに置き換えられるものも出てきており、今後、引き下げることができるといわれている。

動画制作市場の相場がViibarによって明瞭になるのは好ましいことだ。一方で、どんな発注者が増えると考えられるのか。

「TVCMに出稿していたようなブランドマーケティングの広告主が、オンライン用の動画を製作して流したいという需要はあります。もうひとつ、B2Bサービスでランディングページにサービスの利用の仕方の動画を置いて、見込み顧客にサービスの理解を促進し、CVRを上げるという狙いで動画を導入したいという企業もあります」

広告用だけではなく、ランディングページに置く動画の需要もあるようだ。オウンドメディアの充実により、顧客とのコミュニケーションコストや営業マンのコストを下げることは可能になりそうだ。

<Viibarで製作した楽天市場の動画>

(Rakuten Ichiba from Viibar on Vimeo.)

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