3つのツアーが揃う、女子プロゴルフ開幕 若手の登竜門からレギュラー、レジェンズまで

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春の花が咲く季節になり、2014年度女子プロゴルフツアーは3月7日より、ランでいっぱいの沖縄から始まりました。今季レギュラーツアーは昨年度より1試合増の37試合、賞金総額は32億5000万円で史上最高となっています。ここ数年8人前後の初優勝者が誕生していて、若い力がたくさん上位争いしています。ベテラン、中堅、若手が相まみえて刺激し合い、魅力あふれる試合展開になっています。ゴルフファンの皆様にはお近くの大会にぜひ足を運んでいただき、目の前でプロの迫力あるプレーと優勝争いの緊張感を一緒に味わっていただきたいなと思っています。

さて日本女子プロゴルフツアーでは、ツアーを3種類開催しています。一つはレギュラーツアー。1試合平均賞金総額は約8800万円です。日本を代表する選手たちがしのぎを削り、全国21道県で開催されています。

二つ目はLPGAステップ・アップ・ツアー。1991年から始まり今年は11道府県で開催されます。レギュラー大会の出場権を持たない次位の選手たちで構成され、過去2年間のプロテスト合格者40名前後も出られることから、若手の登竜門とも位置づけられています。このツアーは2日間競技で予選落ちなし、今年は2試合増の12試合となりました。1試合平均賞金総額は1500万円で、レギュラーツアーの約6分の1。地元企業と地域ゴルフファンが中心の完全地域密着型が多く、大会ごとにスポンサー企業色あるいは地元色をはっきり打ち出しています。

たとえばIT企業がスポンサーなら全選手のネット紹介、大分の大会ではパーティでうすき竹宵を再現してのおもてなしであったり、岡山や京都では日本を代表する伝統工芸品が優勝トロフィーとなっています。昨年大活躍した比嘉真美子プロや堀奈津佳プロは、前年度ステップ・アップ・ツアーで優勝し巣立っています。大山志保プロや横峯さくらプロも同様です。昨年は新人3人が初優勝し、若手の初々しいプレーや巻き返しを図るベテラン、中堅プロが切磋琢磨するツアーです。

三つ目はレジェンズツアー。45歳以上の女子プロの大会です。こちらも2試合増の4試合が開催されます。クラブはパーシモン、ボールは糸巻きで育った世代が多いので、ベテランならではの渋い技が光ります。地域社会貢献の役割も担っていて、新規では東日本大震災復興支援のための大会や、100歳のアマチュア女性ゴルファーが始球式をする大会があります。平均賞金総額は1000万円。現在45歳以上の女子プロは373名。解説で活躍している森口祐子プロはじめ、小田美岐プロ、塩谷育代プロ、村口史子プロ、山崎千佳代プロなどそうそうたる顔ぶれがそろいます。

活躍する選手たちが異なる3ツアー。多くの方々のおかげで試合数も増え、活躍する機会をたくさんいただけて幸せです。

週刊東洋経済 3月22日号

小林 浩美 プロゴルファー

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こばやし ひろみ

1963年福島県生まれ。89年にプロ初優勝と年間6勝を挙げ、90年から米ツアーに参戦、4勝を挙げる。欧州ツアー1勝を含め通算15勝。現在、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)会長。所属/日立グループ。

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