新型肺炎で「インバウンド4000万人」に黄信号

訪日客消費額「8兆円」の大目標が遠ざかる

東京・浅草の仲見世通りを歩くマスク姿の外国人観光客。新型コロナウイルスによる肺炎で深刻な被害が出ている中国で春節(旧正月)の大型連休が始まった(写真:時事通信フォト)

新型コロナウイルスが猛威をふるっている。中国の国家衛生健康委員会の1月29日までの発表によると、死者は計132人に上った。 

発熱や上気道症状を引き起こす新型コロナウイルスは、中国湖北省の武漢市において2018年12月に同ウイルスに起因する肺炎の発生が報告され、その後、日本でも患者の発生が報告されている。

沖縄観光のキャンセルは1.3万人に

これを受け、全日本空輸(ANA)は1月29日、当初2月1日としていた成田ー武漢線の欠航期間を3月1日まで延長すると発表。日本政府も同28日に武漢へANAのチャーター機を送り、29日に現地に滞在していた日本人206人を帰国させた。ANAの武漢便の欠航により影響を受ける旅客人数は約5800人という。

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新型コロナウイルスにより大きなダメージを受けているのが観光産業だ。中国政府はウイルスを封じ込めるため、同国からの海外団体旅行を禁止。沖縄県内を訪れる観光客のキャンセルも1万3000人を超えたという。今後、キャンセル数はさらに増加する見通しだ。

中国発の新型感染症といえば、2002年後半から2003年半ばまで世界で8000人以上が感染し、700人超の死者を出したSARS(重症急性呼吸器症候群)が挙げられる。

SARSの中国における感染数は5327人。対して今回の新型コロナウイルスは28日までで同5974人、疑いがあるのは9239人と、その伝播はすさまじい勢いだ。SARSの発生時は、訪日観光客への影響は数カ月程度で収まった。しかし、野村総合研究所によると、仮にSARSと同等の影響が1年間続いた場合、「新型肺炎の影響(のうち、インバウンド需要の減退のみ)で日本のGDPは2兆4750億円、実に0.45%も押し下げられる」(野村総合研究所)可能性があるという。

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