米中両国の対立は「貿易協議第1段階合意」でしばしの休戦に入り、新年相場をかく乱させたイラン事変もひとまず収まった。1月17日には日経平均株価が2万4000円台に乗せ、「上値トライ」の期待も高まった。
一難去ってまた一難
だが、一難去ってまた一難。日本や世界経済への難題が再び発生した。
中国の大都市、湖北省武漢発の新型コロナウイルスによる感染拡大だ。動物から感染したとされるが、変異して「人から人」への感染が確認されると、一気に株式市場を攻撃する材料となった。
特に日本は、最近の日中関係の融和ムードが高まっていることもあり、春節休暇の中国からの訪日観光客への期待は大きかった。これは日本の消費立ち直りの起爆剤になるとも考えられていただけに、ショックは大きい。
ついに中国は団体客の渡航を禁止し、個人についても厳しいチェックをしており、今後訪日客がどれだけ減るか、不安いっぱいのところだ。
先週末の日経平均の引け値(2万3827円)は25日移動平均(2万3823円)を回復したが、東証1部売買代金は5日連続の2兆円割れと、投資家の様子見ムードが続いている。中国は、1000万都市である武漢を「閉鎖」するなど、かの国でしか出来ない強行対応で新型コロナウイルスに立ち向かっている姿勢は評価される。
だが、防護服に身を固めた医療従事者のニュース映像を見ると、それがまるで「パンデミックパニック」の外国映画を見るようで、逆に日本の投資家マインドを冷やしている。
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