米「イラン攻撃」さえ楽観する市場が見逃す真実 株価は短期的には再度上昇の「恐れ」さえある
明けましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願い致します。
アメリカはなお「行き過ぎた楽観」の中にある
日本が休場だった間のアメリカの株式市況を振り返ると、やはり「行き過ぎた楽観」に包まれているとの感が強い。昨年12月31日(火)のニューヨーク(NY)ダウは、ザラ場では安かった(前日比で86ドル安)ものの、切り返しに転じ、引け前の1時間ほどで大きく上振れした(引けは前日比76ドル高)。
この上昇の理由としては、年末にかけての運用成績を良く見せるための「お化粧買い」もあったと報じられている。つまり、さしたる好材料がないのに株価が上振れした、ということになる。
さらに新年の2日(木)は、NYダウは前日比で330ドルもの大幅高になり、史上最高値を更新した。上昇の背景としては、米中部分合意の署名が同月15日(水)にワシントンで行われると発表されたことと、中国の金融緩和策(6日(月)から預金準備率を0.5%引き下げ)が公表されたことによる、とされている。
しかし、米中部分合意は、これまで「合意が近い」との同じ材料を、何度も何度も出がらしになり果てるまで買いの口実として使い続けている。中国の預金準備率引き下げも、今回初めて行われるわけでも驚きでもない。これも、しっかりと株価が押し上げられてしかるべき、といった材料ではない。
こうした楽観過ぎる相場付きが続いたあと、3日(金)には株価に波乱が生じた。その要因としては、米軍が、イラン革命防衛隊の対外精鋭組織「コッズ部隊」のカセム・ソレイマニ司令官(報道により、氏名などの表記が異なる)を、車列への爆撃によってイラク国内で殺害したことが大きい。アメリカは、ソレイマニ司令官が、イラク内のアメリカ大使館や米軍施設等への攻撃を指揮していた、と主張している。
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