新型肺炎で「インバウンド4000万人」に黄信号

訪日客消費額「8兆円」の大目標が遠ざかる

2020年までの達成を目指してきた訪日観光客の政府目標4000万人にも黄信号が灯っている。安倍政権は地方創生を重要戦略に据え、観光政策をその戦略の柱とした。2013年にはビザの発給要件を緩和し、免税対象品目も拡大。2012年に836万人に過ぎなかった訪日観光客数は2018年についに3000万人を上回った。

7月開幕の東京オリンピック・パラリンピックによる特需を織り込めば、2020年に4000万人の達成も視野に入る勢いだった。

日韓対立が激化し、訪日客数に急ブレーキ

ところが、とんとん拍子で成長してきた日本の訪日客数に2019年、急ブレーキがかかる。

歴史認識や安全保障をめぐる問題で、訪日客の2割強を占める韓国との緊張が高まり、韓国人訪日客は2019年8月から急減。前年比で60%以上減少する月が続き、2019年の訪日客数は前年比2.2%増の3188万人にとどまった。

そこで政府が目をつけたのが、中国人の訪日需要だ。実際、訪日客のうち中国人の観光客数は、韓国との関係が悪化する前の2018年が838万人と一番多い。インバウンド政策の陣頭指揮を執る菅義偉官房長官は2019年8月、東洋経済の取材に「今年(2019年)に入っても中国人訪日客数は10%程度の伸びを維持している。中国人訪日客は、どんどん増えるだろう」と訪日中国人に期待を寄せていたが、今回の新型コロナウイルス問題でそれも見込めなくなった。

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