参拝法にもマナーがあり、守らないと神様が機嫌を悪くする、と渋谷さんは指摘する。
「鳥居は必ずくぐる。参道の中央は神様の通り道なので両脇を歩く。手水舎(ちょうずや)で手口を洗って清めるときは、直接、柄杓に口をつけない。二拝二拍手一拝のときは、帽子やサングラスをとる。たとえお正月でも、酔っ払ってお参りするのはよくありません」
「吉凶」を見るより大事なおみくじの読み方
参拝客が多い神社の初詣に行くと、お賽銭を人の頭越しに投げ入れている人がいるが、それも御法度なのだ。
「神社は神様が住んでいる宮殿ですから、鳥居をくぐったところから神様に見られているわけです。わかりやすく言えば天皇陛下が前に座って見ているようなものですから、その真ん前でお賽銭を投げ入れるなんて普通しないと思うんですね。そういう状況を頭にイメージしてもらえば、失礼なことはできないと思います」
家族やカップルがおみくじを引いて一喜一憂しているのも、初詣ならではの風景だ。しかし、渋谷さんの新刊『成功する人は、おみくじのウラを読んでいる!』によると、読むべきところは大吉や凶などの「吉凶」や運勢ではないという。
「おみくじは、本来、引いた人の願いごとに対する神様の意思を伺う方法として生まれたもので、古くは将軍の後継者選びや政治を判断として用いられていました。ですからいちばん重要なところは、和歌や漢詩で示されている神様のお告げ文です。その下に書かれている吉凶や、仕事運、金運、恋愛運といった運勢全般についての説明は、解釈の一例なので参考にしかなりません。
大切なのは、自分の状況や願いごとをよく考えて、自分自身で和歌や漢詩の意味を読み取ることです。お告げ文の解釈の仕方は人の数だけありますから、できるだけ正しく読み取るためには、自分が神様に聞きたいことを決めてからくじを引きましょう。質問がわからなければ、神様も何を教えていいかわかりませんからね」
今までおみくじの吉凶や運勢ばかり気にしていた筆者。どうりで運が向いてこないわけである。
よく迷うのだが、引いたおみくじは持って帰るのがいいのか、それとも境内にあるおみくじ結び所に結んでいくべきなのだろうか。
「おみくじは神様からのいただきものですから、どちらでも自由です。結果がよければ、そのご縁を結ぶために結んで帰るのもいいですし、逆に結果が悪くて自分で持っていたくないなら、結ぶのもありです」
それよりも気をつけてほしいことがある、という渋谷さん。
「神様の分身である御札やお守りなどの授与物の扱い方です。御札は家の中の南向きか東向きの清潔で高い場所にお祀りしますが、御札の種類によって異なることもあるので、くわしくは神職や巫女さんに確認してください」
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