孤独大国・日本で犬と暮らす人が幸せな科学的理由 麻布大学獣医学部教授の菊水健史さんに聞く

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麻布大学の菊水健史教授と、大学に同伴出勤しているスタンダード・プードルのクルトくん(撮影:大澤誠)
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ペットと暮らす人が増えている。 ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査によると、2022年の日本の犬の飼育数は約705万頭で、新規飼育頭数は過去10年間で最多の42万6000頭となった。

犬の飼育費も、1頭当たり月1万3904円と5年前から45%増加。ペット関連の総市場規模も拡大している。単身世帯や、子どもがいない夫婦、ひとり親世帯を含む核家族が増え、コロナ禍で人間関係も疎遠化したため、犬と家族同然の絆を育みたい人が増えているのかもしれない。

犬と暮らす人は孤独感が軽減される

実際、犬と暮らす人は孤独感が軽減され、心身の健康にも良い影響があることが科学的にわかっている。全世代の4割が「孤独を感じる」ほど孤独大国となってしまった日本で、無条件の愛を与えてくれる犬の存在が注目されているともいえる。

その証拠に、母が子の世話をするとき分泌される「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが、人と犬のコミュニケーションによって分泌、促進されることも明らかになっている。

本研究における犬の最先端研究チームを率いるのは麻布大学獣医学部教授の菊水健史さんだ。菊水さんの新刊『ヒト、イヌと語る コーディとKの物語』を読むと犬の驚くべき理解力と共感力の高さがよくわかる。その研究はどこまで進んでいるのだろうか。

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