教職課程はクビ、インテルも退職、のち起業 業種のボーダーを越え続けた彼女が、「無駄な経験」をしない理由

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こう見ていくと、「バイタリティはあるものの、落ち着きのない若者」というほか、彼女を表現する言葉はないように思える。

子どもをお菓子で釣ろうとしたり、何の脈絡もないような職に場当たり的に就いてみたり、インテルでも、コメディのようなトラブルに巻き込まれる日々だった。

ただ、たとえばこの教員養成課程を振り返って、のちに、何かのルールを作ることが、自分の才能らしいということにレスリーは気づく。

そして一方では、「教職経験でいちばん嫌だったのは、学校のルールを子どもたちに守らせることだった」、とも言う。それは、恣意的に見えるものや、その目的が子どものしつけとは関係なさそうに見えるようなルールに限っての話だが。

当時、彼女はこういったことを真剣に考えていたわけではなかっただろう。しかし、ゲームで遊んだり、作ったり、ルールを書いたりするときに自身が最も気にしていたのは、そのゲームの目的を明確にすることだったのだ。

こんな気づきを得て、それが大きな仕事につながっていくのだから、人生はわからない。レスリーは、結果として「無駄な経験などしなかった人」ということになる。

マクラメ編みからヒントを得て「結び目」をテーマにしたゲームを作ったこともあるし、インテルでの経験は、自分でマーケティングできるゲームデザイナーとしての道を開いた。

業種職種のボーダーを軽々と跳び越えつつ、多くの実務経験を積み重ねる、とくれば、今わたしたちが直面している労働市場の現実と近未来をいち早く経験していたのが、レスリー・スコットという人なのかもしれない。その決して優等生的ではない、働く姿勢から、いま私たちが学べることは多い。 

 

【レスリー・スコット講演会へのご招待】
“ジェンガ”を生み育てた女性起業家の物語
『JENGA――世界で2番目に売れたゲームの果てなき挑戦』 著者来日記念セミナー

 日時:2014年3月18日(火)19:30~ @アカデミーヒルズ 六本木ライブラリー

ジェンガほか、多くのヒットゲームを世に送り出してきたゲームデザイナーにして起業家でもあるレスリー・スコット。彼女がリアルな体験をお話しする講演会へ、10名様をご招待いたします。下記のフォームから、ぜひ奮ってご応募ください(応募〆切:3月12日20:00)。

当選された方には、ご回答いただいたメールアドレス宛てに、3月14日22時までにご連絡を差し上げます。

→【応募フォーム】

東洋経済エディターズ_ジェンガの仲間たち
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