対談前編:「はったり」がないと世界では勝てないはこちら
英語のプレゼンはエミネムのようなラップ!?
――井口さんは昨年、ウィンザー城に招かれたときに、袴を着ていましたよね。以前、東洋経済オンラインでも記事化したのですが、すごいインパクトですね。
井口尊仁(以下、井口):「Founders Forum」という、イギリス王室とイギリス政府がバックアップして、アンドリュー王子やリチャード・ブランソン(ヴァージングループ創設者)が来るような、世界中から起業家や投資家が集まるイベントのフォーマルディナーに羽織袴を着て行きました。
伊佐山元(以下、伊佐山):羽織袴を着て行く――。「井口さんだからできるんですよ」とネグる(無視する)人が多いと思いますが、井口さんだって大変なんですよ(笑)。「袴を着て、みんなひいたらどうしよう」とか、一瞬考えますよね。井口さんが特殊な性格だからというのではなく、井口さんも頑張っているのです。これは日本では伝わらないことなのですが、そばで見ているとその頑張りがよくわかる。
井口:引かれたらどうしようとは思いました(笑)。
伊佐山:井口さんは奇人変人的にメディアで露出しているから「変人」だと思われていますが、意外に気を遣っていて、かつ、自分にプレッシャーをかけて戦っている。それを見た瞬間に、自分は「なんてスマートにやりすぎているんだ」と思うのです。これではダメだと。自分も愚直にベタなことをしないと、常識は超えられないな――とあらためて思いましたね。他人にどう見えようと、自分の信念や事業への思いをさらけ出す。自分も含め、99%の人は他人の目線を意識するあまりに、多くのチャンスを見過ごしている。
また、井口さんはプレゼンテーションも規格外です。「プレゼンがうまい」と言うと、普通はTEDに代表されるような、なめらかなトークでプレゼン資料もかっこいいという、居心地のよいプレゼン。だけど、井口さんは、英語はかなりうまくなりましたが、言いたいことを、知っている英単語を使って、“当てていくプレゼン”。英語だから――と、変に格好つけようとしないで、自分の言いたいことを言うスタイルなので、内容もエッジが立っているし、トークそのものもフローがあるというよりは、ガクガクガクと止まるのですが、逆に「新鮮」という好循環が起きている。
井口:吉本興業にもスカウトされたことがありますから(笑)。僕のプレゼンは、たぶんエミネムみたいなものですよ。ラップです(笑)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら