本連載では、そんなジェンガと生みの親レスリー・スコットの知られざる物語に迫っていく。
アフリカ生まれの英国娘。性格は、破天荒
世界で2番目に売れているゲームを作った女性ゲームデザイナーにして、起業家。なんて聞けば、雲の上の人、とてもまねできないような能力に恵まれた超人……を思い浮かべてしまうのも当然だ。
しかし、ジェンガの考案者、レスリー・スコットがイメージどおりのバリキャリスーパーウーマンかというと、実はそうではない。もちろんすごい人物であることには違いないのだけれど、昨今話題になるような女性リーダーとは進む方向があまりに異なるのだ。破天荒という言葉が彼女にはとても似合う。
今回はレスリー・スコットがジェンガの開発者になる以前、起業家となる以前のキャリアを紹介していきたい。
1955年、アフリカのタンガニーカ(現在のタンザニア)、ダルエスサラームにて、レスリー・スコットは、英国人家族――父母の代でアフリカに移住した――の一員として生まれた。
キリンやシマウマやゾウが気ままに闊歩するアフリカでのびのびと育ち、しかし13歳になると、海外に住む英国人家庭の子供の多くがそうであったように、イギリスの寄宿学校に送られる(とはいえ、学期が終わると休暇はアフリカで)。
アフリカと英国、ふたつの故郷を持つレスリーが、ジェンガの原型で遊んでいたのはアフリカでのことだったが、その由来については前回(「これがコーラとジェンガの明暗を分けた!」)触れた話でもあるので今回はおいておこう。
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