スター・ウォーズを「差別的」とする人の大誤解 多様性とはいったい何をもっていうのか
スター・ウォーズは差別的か?
1977年、『新たなる希望』が公開された際に、この映画を差別的だと批判した人がいた。出演者に黒人俳優がいないというのがその理由だった。
早々に改善がなされ、『帝国の逆襲』では、ビリー・ディー・ウィリアムズがランド・カルリジアンを演じた。だがそもそも差別的という批判自体が、間違っていたのだ。
スター・ウォーズは多様性を尊重している。マイノリティに属するはずのウーキー族のチューバッカがヒーローになっていることからも明らかだ。
チューバッカは、見た目はいかにも怪物的で、狼男のように毛むくじゃらで巨大な体躯である。だが知性を持ち、やさしくて冗談もわかる。
スター・ウォーズには多くの怪物が登場し、地球ではないはるか遠くの銀河であることが強調されている。モンスターもハイブリッド生物(人間と機械のハイブリッドも含む)もたくさんいる。モンスターや規格外の存在が共生するスター・ウォーズは、多様性の讃歌なのだ。スター・ウォーズでは大きなものが強いとは限らず、外見による判断もまた当てにならない。
スター・ウォーズに登場する宇宙港、モス・アイズリーは「不良と犯罪者のはきだめ」であると同時に人種、いやモンスターも含めた生物のるつぼであり、現代のバベルなのだ。創世期に出てくるバベルの塔である。
最初、すべてのものは同じ言語、同じ言葉を話していた。だが人間が空に届くほど高い、バベルの塔を建設して神に近づこうとしたため、怒った神が罰として「言語を分かち、理解し合えないようにした」のだ。
神の采配は成功したようだ。人間の多様性や言語の多様性は、今もなお相互理解の障害となって人々を苦しめている。神様も怒りすぎではないかと思えるほどだ。
正直にいうと差異は必ずしも豊かさを生むとは限らず、むしろ人々を分断するものである。人は自分と違うものに対して自然と警戒心を抱き、時には憎しみさえ抱いて偏見に陥りがちである。
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