「天職を見つける人」「見逃す人」の決定的な差 仕事の「違和感」がその人のキャリアを作る

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僕の場合、最初は病院に勤務して、その後、独立して開業医になり、さらにその後にもう一度、今のようにメディアで仕事をするという方向に舵を切りました。

最近は、音楽の活動にも取り掛かっています。そうやって振り返ってみると、自分の中に生じた違和感こそが、僕をさまざまな仕事へと導いてくれたように感じるんです。

キャリアは「やりたくないこと」が開いてくれる

多くの人は無意識のうちに、「自分のやりたいこと」や「得意なこと」を積み重ねていくことが、その人のキャリアを形作るのだとイメージしているように思います。

幼い頃から運動神経抜群だった少年がプロ野球選手になる。小学校の自由研究で大人顔向けの発表をしていた女の子が、科学者として世界を揺るがすような発見をする、というように。

でも、実際のキャリアというのは「自分のやりたくないこと」や「不得意なこと」を避けたり、工夫したりしてどうにかこうにか仕事をこなしていく、その結果として現れる「足跡」のようなものなのだと僕は思います。

だからこそ、僕は自分の中にある「違和感」を大切にしてほしい。

「これをやりたい」「これが自分の武器だ」というものをはっきりとは持てない人でも、「これは嫌だ」「こういう自分にはなりたくない」ということは、比較的具体的に認知できるはずだからです。

このとき、大事なことは「違和感」は違和感として捉え、下手に感情に結びつけてしまわない、ということです。

というのも私たちはついつい、自分の感じている違和感を「不満」や「不平」、あるいは「怒り」として感情的に意味づけ、そのうえで「仕事ってそういうもんだよ」と諦めて、感覚を鈍磨(どんま)させて生きる方向に全精力を使っているように見えるからです。

そうやって「仕事ってこんなもんだよ」と諦めてしまったら、おそらく5年や10年はあっという間に過ぎてしまいます。どうか諦めないでください。

違和感をできるだけ「感情」から切り離して、真っ直ぐに向き合い、それを解消するように取り組んでいく。それは言い換えれば、「自分の苦手なこと、やりたくないことをなるべくやらなくて済むように、日々の仕事をカスタマイズする」ということです。

5年ほどそういう工夫を重ねていけば、必ずその人なりの道が開けてくる。これは僕自身の経験や、これまで相談を受けた人のキャリア・ストーリーを聞いていて、間違いないことだと感じています。

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アルファポリスビジネス編集部

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