若者が「辞める会社」「辞めない会社」の致命的差 会社を去るのではなく嫌な上司から去るのだ
近年、退職が問題視されるようになってきた理由の1つに「採用難」があります。私は1学年当たり200万人を超えるアラフィフの団塊ジュニア世代ですが、現在の20代の若手はその半分の100万人程度しかいません。若者が採れないのは、若者がいないから。いないのであれば、定着してもらい育てなくてはなりません。
多くの会社で重要なテーマとなっている「退職」を予防するためには、その原因を探らなくてはいけません。まず、退職にも「避けられないもの」と「避けられるもの」があります。親の介護や配偶者の転勤などの致し方ないものや、処遇など現職よりもかなりよい条件を提示されてステップアップしていくようなケースはなかなか避けられません。
人が会社をやめる3つの理由
しかし、それらを除けば、本来なら避けられた退職原因は3つに分けられると言われています。それは「①入社ストレスの問題」「②人間関係の問題」「③キャリア観の問題」です。
1つ目の「①入社ストレスの問題」から考えてみましょう。そもそも新しい職場に入ること自体が大変ストレスフルです。1960年代にアメリカのホームズ博士が提唱して有名な「ストレス表」というものがあります。さまざまなライフイベントのストレス度をそこから回復できる期間で数値化したものです。
1年間に起こったライフイベントの数値を合計して、200点を超えると50%が、300点を超えると80%が2年以内に心の不調を訴えると言われているのですが、就職・転職に関係しそうな「退職」「再就職」「経済状況の変化」などを足していくと、優に200点を超えてしまいます。
これに追い討ちかけるのが「リアリティーショック」で、読んで字のごとく、現実に直面して理想化したイメージが打ち砕かれるショックです。
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