学生の内定辞退「マイナスと捉える」会社の盲点 「内定辞退率の低下」を目標にしてはいけない
昨今の採用難時代を背景に企業が学生の内定辞退率の高さに悩んでいます。ある調査によれば平均的には内定を出した学生のうち6割が内定辞退をするという状況です(つまり、4割しか内定受諾をしない)。
大企業や人気企業を含んだ平均でこの数字なので、中小企業やベンチャーなどは、もっと悪い数字だと思って間違いありません。場合によっては、数カ月間に渡る採用活動の末に、数名に内定を出したが結局1人も残らなかったというようなケースもあり、採用担当者の疲弊感は想像に絶えません。そのために、企業はなんとかこの内定辞退率を下げられないかと工夫をしようとしています。
「内定辞退」は悪いことではない
しかし、まずそもそもの話をしますと、採用担当者にとってつらく大変なことではあるものの、内定辞退自体は悪ではありません。
自社の採用ブランドに依存せずに優秀な人材を頑張って発掘し、出会っていけばいくほど、採用競合は強くなって、必然的に内定辞退率は高まります。経営者や人事担当役員の中には、あまり採用の現場を知らないせいか、自社の内定辞退率が高いと「いったい、人事は何をしているのか」と憤慨する方もいらっしゃいます。ですが、内定辞退率の数字だけをみて悪とするのは早計です。まず数字ではなく、どこに負けたのかという中身を見るべきです。
強い競合に敗れたのであれば、それは「惜しかった」わけであり、単なる失敗ではないですし、優秀な人に会えているという候補者集団形成が成功している証拠でもあります。それを単に「悪」と捉えてしまってはいけません。
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