「天職を見つける人」「見逃す人」の決定的な差

仕事の「違和感」がその人のキャリアを作る

さらに、そうやって自分なりの工夫をしながら仕事をしていると、自然と周囲からの評価も変わってきます。

僕は大学を出てから、公立病院で精神科医をやっていましたが、10年目を過ぎた頃から、メディアからお声がかかるようになりました。それは、ある時期から「あそこの病院にはちょっと変わった医者がいる」ということが認知されるようになったからだと思います。

僕は当時、すごく派手な赤いメガネをかけて診療をしていたんですが、それは別に、反抗しようとか、目立とうとしていたわけではないんです。何か、そういうアイテムを一つ身につけないと、自分が自分でなくってしまうような違和感を覚えていた。その違和感に対する適応として、そういうメガネをかけていただけなんです。

でも、そういうある種の「サイン」を、周囲の人って見ているものなんですよね。その後、独立してクリニックを開いたり、ご縁のあった方に引っ張られてメディアに出るようになったりしたのは、僕が、医者として働く中で感じた違和感を、何らかの形で表現し続けていたからだと思うんです。

ファーストキャリアは「しっくりこない」のが当然

最初に申し上げた通り、「自分の一番やりたいことを仕事にする」ということに、僕は反論するつもりはありません。でも、それと同時に、「違和感を覚える仕事に対して、自分なりに適応していく」ということも、同じぐらいおすすめします。

なぜなら、それこそが「自分のやりたいことが何なのか」を知るための、非常に有効なエクササイズとなるからです。

特に、社会人経験の少ない学生や、数年程度の社会人経験しかない若い人たちは、まだ「社会がどう動いているのか」を総合的に捉えることができません。

一つひとつの仕事がどういう意味を持ち、社会とどう関わっているのか。それがわからなければ、自分がどんな仕事に向いているのか、どんな仕事をやりたいのか、ということがわからなくても当然です。

たとえば新卒時の就職活動のとき、「自分のやりたい仕事がわからない」と悩む人がいますよね。でも、学生は社会人経験もないんだから、あまり神経質に「正解」を選ぼうとする必要はない。

とりあえずは、なんとなく「こういう仕事がいいんじゃないか」というイメージで就職活動をして、小さな会社でも、興味のなかった業界でも構わないので、実際に仕事をしてみる。そうすると必ずどこかで「何となくしっくりこない」感じ、すなわち違和感が生じてくる。

もちろん、幸運にも、新卒で就いた仕事こそが天職だった、という人もたまにはいるでしょう。でも、普通は違和感がある。それで当然なんです。まずは、自分が置かれた立場で、投げかけられた仕事をなんとかこなしていく。それがキャリアにおける、第一のフェイズです。

そして、その中で生じた違和感としっかり向き合うことによって、第二フェイズのキャリアへとつなげていく。

次ページ自分の中に生じた違和感こそが…
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