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半導体とソフトウェアの二刀流で絶好調の「ブロードコム」。“AI半導体の王者”エヌビディアとの違い

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半導体大手のブロードコムはソフトウェア事業も有力だ(写真:David Paul Morris/Bloomberg)

異色の半導体銘柄の成長が止まらない。

半導体とソフトウェアを手がけるブロードコムは6月5日、2025年2~4月期業績を発表。売上高150.0億ドル(約2.2兆円、前年同期比20%増)、調整後EPS(1株当たり利益)1.58ドルを記録し、いずれも市場予想(約149.7億ドル、EPS1.57ドル)をわずかに上回った。

AI需要の拡大が成長を牽引しており、AI半導体の売上高は前年同期比46%増と強い伸びを見せた。結果、売上高は過去最高、純利益(約49.7億ドル)も前年の倍以上に急増し、次の四半期(2025年5~7月期)の売上高ガイダンスは158億ドルと市場予想(約157.1億ドル)を僅差で上回る強気な見通しを示した。

しかし、決算発表後の市場の反応は冷ややかだった。株価は翌6日に5%下落。高い期待値がすでに織り込まれていたことが一因とみられる。実際、AI半導体需要への期待から直前1カ月間で株価が30%近く急騰していたため、「予想以上」の内容であっても成長スピードの物足りなさが意識された格好だ。

エヌビディアと一線を画す

AIブームの中でブロードコムは、エヌビディアとは異なる領域を開拓している。

ブロードコムは大手クラウド事業者(ハイパースケーラー)向けにカスタムAI半導体(ASIC)を共同開発・供給しており、既製の高価な汎用GPUを売るエヌビディアとは一線を画す。

現在、アメリカのグーグル、メタなどを顧客に持つ。ASICはカスタマイズによる最適化によって、生成AIの普及で需要が急増するAIの「推論」に適した省電力・高効率な計算を可能にし、クラウド各社がコストと電力消費の面で汎用GPUへの依存を下げられると期待されている。

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