3年前にはトップ3を独占した3メガバンクは採用数を絞りこみ、トップ10にランクインしたのは三井住友銀行(9位600人、昨年9位650人)のみとなった。昨年首位だった三菱UFJ銀行は(15位531人、昨年951人)、ほぼ半減した。みずほフィナンシャルグループ(14位550人、昨年6位700人)は2年前の4割程度となっている。
また、金融関係では、7位東京海上日動火災保険(639人)、12位りそなホールディングス(565人)、23位大和証券グループ(450人)なども採用数は多いが、全体的には絞り込んでいる。
ランキング入りした業種を見ると、いちばん多かったのが銀行業の28社(9位三井住友銀行、12位りそなホールディングス、14位みずほフィナンシャルグループ、15位三菱UFJ銀行、31位三井住友信託銀行417人など)。
続いて、システム・ソフト業26社(6位富士ソフト650人、21位NTTデータ483人、43位大塚商会350人、48位NECソリューションイノベータ349人、54位システナ331人など)、建設業24社(53位大成建設333人、60位清水建設320人、68位大林組286人、81位鹿島247人、84位竹中工務店237人)となっている。
大量採用のワケを読み取る
新卒採用が多い会社の特徴・要因を考えてみたい。まずは、会社の規模が大きく従業員が多いので、新卒採用も自ずと多くなるケース。これは、さきほどの金融やメーカーなどが該当する。続いて、会社の成長に伴って新卒を積極採用するケースだ。ITや小売(とりわけドラッグストアやニトリグループなどの製造小売)が当てはまるだろう。
反対に、会社や従業員の規模に比べて極端に新卒採用が少ない場合、業績不振や人員調整など何らかの要因が背景にあるはずだ。
最後に、早期の大量離職を見越した大量採用を行うケースには注意が必要だ。ほかとの明確な線引きや基準の違いはないが、業績(複数年分)、従業員数と新卒採用数の比率、平均勤続年数や平均勤続年齢、新卒3年後離職率などさまざまな項目をチェックしていくと、会社を取り巻く環境や従業員の置かれる状況が浮かび上がってくるはずだ。
ランキングを眺めて、知らない会社があったり、採用数の増減に疑問を抱いたりしたら、積極的に調べてみることだ。業界研究や企業研究のきっかけとしては十分だろう。
広報解禁まで残すところ3カ月。「まだ3カ月ある」のか、「もう3カ月しかない」のか。どう捉えて行動に移すのかでそろそろ明暗が分かれ出す時期であることに違いはないだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら