厚生労働省と文部科学省が調査をしている大卒内定率は、2020年卒も高水準を維持している。10月1日の内定率は76.8%と、前年同期比で0.2ポイント低下しているが、ここ数年では高い水準になっている。就活を控える学生の間にも余裕があったのか、学内セミナーの参加も例年より少なかったとの声も大学職員から聞かれた。
たしかに、リクルートワークス研究所が公表した最新の大卒求人倍率調査は1.83倍で相当な売り手市場と見てよい数値だ。だが、求人総数は7年ぶりの減少に転じ、従業員規模5000人以上の会社に絞れば0.42倍と狭き門のままだ。
売り手市場だが、水面下で異変も
職種別採用も総合職と一般職の採用が一般的であったものの、メガバンクが総合職と一般職を統合する方針を発表するなど、一般職の採用は減少傾向にある。中には、総合職とスペシャリスト(専門職)の職種別採用を導入する会社も出てきている。就活生は、こうした傾向や会社ごとの採用数を把握することが重要だ。
そこで小社が11月29日に刊行した、『就職四季報2021年版』(「総合版」を筆頭に「女子版」「優良中堅企業版」を同時刊行)から、新卒採用が多い会社を集計し、上位300社をランキングした。
対象は「総合版」掲載の1303社のうち、「修士・大卒採用数」(2020年4月入社予定)に有効回答があった1249社。なお、調査時点は原則2019年8月で、会社によってはその時点での内々定者数や、予定・計画数の場合もある。また、ランキングには前年調査結果〔「修士・大卒採用数」(2019年4月入社)〕も併記し、前年からの増減がわかるようにした。
トップは三菱電機(880人)。昨年比で約40人減らしたが、反対に順位を1つ上げることとなった。2位には大和ハウス工業(810人、75人減)が、3位には富士通(750人、昨年5位)がそれぞれランクインした。
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