何でもアリのおきて破り。ウォーホルの快楽 アンディ・ウォーホルって、どこがすごいの?

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絵画、美術の枠を超える

「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」展示風景、森美術館 2014/2/1-5/6 撮影:渡邉 修 写真提供:森美術館 (c)2014 The Andy Warhol Museum, Pittsburgh, PA, a museum of Carnegie Institute. All rights reserved.

展示室では映像作品も紹介されている。写真の手前右はウォーホルの代表作のひとつである『エンパイア』(1964年)。ニューヨークのエンパイアステートビルを夕方から5時間にわたって定点撮影し、それを8時間に引き伸ばして上映した。めったに見る機会のない作品だ。展示室ではフィルム1巻分が上映されている。

1970年代以降、ウォーホルの作品は多様化していく。銅の入った顔料をカンヴァスに塗り、その上に放尿して、化学反応の変色によって抽象画を描く「酸化絵画」、ジャン・ミシェル・バスキアとのコラボレーションなど、「ありとあらゆることをやっています。よく言えば作風の多様化、悪く言うと節操がない。ひとりのアーティストとは思えないバリエーションがあります」。

彼の活動は美術という枠も超えて広がっていく。TDKのCMに出演し、テレビ番組をプロデュースし、モデル業にも挑戦した。「少なくとも近代までは、アーティストには一貫した作風があり、筋の通ったことをするという約束事があった。アトリエにこもって制作するのが常識で、タレント活動は御法度でした」。

つねに批判にさらされていたが、それ以上に大衆の支持は大きかった。1987年に58歳で亡くなった後も人気は上昇している。作品の商品的価値の面でも、ブランドが確立しているウォーホルの作品は値崩れしないこともあり、2000年以降は高騰しているという。

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