アップルは「操作方法」を革新した
スティーブ・ジョブズが行った新製品発表会について、ボクは日本で1、2を争うぐらいに詳しいと自負してます。ジョブズのプレゼン過去10年分を“テープが擦り切れる”ほど(ユーチューブで)見たので、すでに彼のセリフや動きの名場面のみならず、ほとんどの発表が頭の中に入っています。
やはり最高のプレゼンは、2007年初頭に行われたMacWorldでの基調講演。のちに地球全体を大きく変えることになる、初代iPhoneが登場した会です。ジョブズは、それまでのアップルのイノベーションの歴史(MacとiPod)を紹介し、そこに並ぶ大きな革新としてのiPhoneを発表しました。
その後、キーボードを廃すことを発表し、「じゃあ、どうやって操作するのか?」という話題になります。そこでジョブズはもう一度、自社が起こしてきた革新を振り返るのです。
アップルは、テキストだけではなく、「何でも表示できる」ビットマップスクリーンと、それを操作するための「マウス」を一般向けに浸透させた立役者です。
スマートフォンにおいても、過去にあった細かなキーボードを廃すことで「どんな操作方法にでもプログラムで対応できる」ようになった大きなスクリーンと、それを操作するための「タッチパネル」「マルチタッチ」を提示しました。
この提案がどのようにして世界に広がり、人々に使われるようになったかは周知のとおりですね。
3D表現が増えて「ポインティングデバイス」が問題に
さて一方で、コンピュータは常に進化し続けます。画面内部を擬似的な3D空間にしてしまう「3Dデスクトップ」なんていう、不思議で突飛なものも数年前から出始めました。
技術の向上によって、3Dアニメーションのレンダリングが気軽にできるようになったことで、パソコンからスマートフォンに移るときの進化には含まれていなかった「次元の拡張」が、ここ最近、急激に訪れているように感じます。人類が3次元世界に生きている限り、こうした動きは避けられないでしょう。
メディアアートなどを中心に3次元的な表現が増えてくる中で、ひとつ大きな問題になるのが「操作方法」、もとい「ポインティングデバイス」です。3Dマウスというマウスの進化系があったりするのですが、マウスの系譜を引き継いでいる段階で、どうしても直感的にはできません。
そこで現れたのが、今夏に発売された小型センサー「Leap Motion」です。上部のガラス面に3つの赤外線光源と2つの赤外線カメラがついており、両方の手のひらと各5本の指の位置を検知することができます。
公式ストアで提供されているさまざなゲームアプリケーションで遊ぶことができて、精度も一方向からのみの検知にしてはまずまずうまくできているので、けっこう新感覚で楽しいです。
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