対談第1回目:「代案」を出さないと世代交代は起きない はこちら
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「シェリル・サンドバーグ」より「佐々木監督」
太田 20代、30代のこれからの働き方は、どうなっていくでしょうか。
神原 何年も前から片働きより男女共働きが多い時代になってきています。わが家も夫婦で共働きですし、女性の管理職を増やしたほうがいいという意見もありますが、女性の中には、管理職になりたい人となりたくない人がいるのも確か。
太田 うちの営業部女子課でも、すごい上昇志向の人がいるかと思えば、大多数は「スーパーウーマンにはなりたくない」と明言してます。それよりも、「仕事も家庭も両方うまくいきたい」。これが主流の価値観だと思っています。
神原 僕は、シェリル・サンドバーグ(Facebook社の女性COO)の著書『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』や『日経WOMAN』を読んで、全員そこにあこがれろっていうのは、マネジメントの方法として絶対におかしいと思っています。
太田 ええ、働き方はそれだけじゃないですから。実際、女性たちに聞いても「シェリルは上すぎてまねできない」と言います。
神原 多様な働き方を示す「ダイバーシティ」って言葉もありますけど、今、働き方に多様性があるのは、女性なんですよ。産休・育休・時短・在宅勤務・直行直帰など、女性の働き方はかなり時代を先行してるから。だから、女性をどうマネジメントしていくかを突き詰めたら、実は、男性をも巻き込んだダイバーシティ時代のマネジメントのゴールに行き着けるんじゃないかと思います。僕は現在、管理職ではないので、こういうことを言うのはおこがましいかもしれませんが……。
太田 同世代の人を取材している実感として、そう感じるのですね。その答えこそが、ダイバーシティの本質であると。
神原 だから、マネジメントサイドとしては、「シェリル・サンドバーグ」の本じゃなくて、「なでしこジャンパン」の佐々木則夫監督の本を読んだほうがいいんじゃなですかと。シェリルは超例外的なスーパーウーマンですからね。それに子育てしてると聞きますが、さぞかし潤沢なサポート態勢なのでしょうと(笑)。
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