30歳までに転職しないといけない、というワナ

【特別対談】神原一光×太田彩子(2)

 NHK局内で20代、30代限定の「ジセダイ勉強会」を主宰する神原一光ディレクター。前回は、若手が上の世代に席を空けてもらうには、ビジネススキームとして成立する現状の「代案」を出していくべきだという話を聞きました。今回は、早計な転職志向や、昨今よく言われる「ワーク・ライフ・バランス」に対しての、神原さんなりの懐疑論を展開します。
神原一光(かんばら・いっこう) 1980年生まれ。日本放送協会 制作局 第1制作センター 青少年・教育番組部ディレクター。NHK「ジセダイ勉強会」を発案、主宰する。主な担当番組に「週刊ニュース深読み」「しあわせニュース」「おやすみ日本 眠いいね!」。学生時代、テニスのジュニア日本代表だった経験から、(公財)日本テニス協会・普及常任委員として、テニスの普及活動にも取り組む。著書に『ピアニスト辻井伸行 奇跡の音色 ~恩師・川上昌裕との12年間の物語~』(アスコム/文春文庫)、会社にいやがれ (U25 Survival Manual Series)2月中旬、ディスカヴァー・トゥエンティワンより新刊が発売予定。
対談第一回目 「代案」を出さないと世代交代は起きない はこちら

転職会社のわな

太田 若い社員が新しいビジネススキームを上司に提案すべきだというお話、なるほどと思いました。

神原 でも、誤解を恐れずに言うと、20代はまだまだ会社を引っ張れないと思います。

太田 と言いますと?

神原 入社して7年、30歳くらいまで仕事して、やっと、会社の実態がわかってくるんですよ。なのに、なんだか皆、成果を早く求めすぎている。

太田 早々と転職を考える人も多いですよね。

神原 世の中に「30歳までに転職しないと本物じゃない」「早いうちに2、3社は経験しておかないと」という風潮がありますよね。転職するときこそ、前の会社で何をやっていたんですか、どういう実績を残したんですかというところが問われるはずなのに。そこをまったく無視したある種の“幻想”がまかり通っている気がします。

太田 転職会社のわなにはまってますね(笑)。

神原 何がなんでも10年同じ会社にいろというのは酷ですけど、本気で転職するなら、経験を積んで力をつけた30歳を過ぎてからのほうが、実は年収も待遇もアップするということを、転職会社の方に聞いたことがあります。

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