「月面基地」実現へ活きる日本のすごい住宅技術

JAXA・極地研・ミサワホームが南極で実証実験

月面有人拠点としての活用イメージ(ミサワホーム提供)

南極昭和基地は1957(昭和32)年の建設以来、日本の極地研究を支え続けてきた重要な拠点である。そこでは研究者らが交替しながら、年間を通じ滞在し、気象や地球科学、生物学、天文学などの観測を行っている。現在、観測棟や居住棟など大小合わせて60以上に上る建物がある。

その多くに建設資材を供給するなど、積極的な協力をしてきたのが大手ハウスメーカーのミサワホームだ。1967年の同社による第1号棟以来、一貫して建物に用いられているのは、同社が開発した「木質パネル」である。

素人が基地建設を行えるように

昭和基地では建物建設を支援する重機などが少なく、普段、観測などに従事する隊員がほぼ人力で行う必要がある。そうした状況下では、複雑で数多くの工程が必要となる一般的な建物は適さない。

南極昭和基地で実際に使われていた木質パネル(極地研付属の南極・北極科学館にて筆者撮影)

そのため、工場でパネルを製作し、構造体として現場で組み立てるという、工業化(プレハブ)住宅の技術が求められたのだ。例外はあるようだが、これにより多くの建物が1カ月程度の工期で建設されてきたという。

そもそも、南極は最低気温約マイナス60℃、風速約80m/sのブリザード(猛吹雪)も発生する大変厳しい環境である。このため、同社の一般的な住宅に使われるものより厚さがあり、断熱性能が非常に高い120mm厚のパネル、三重ガラスの窓などが採用されてきた。

また、南極観測船の輸送量には限りがあるため、建物の建設資材はコンテナに収納できるコンパクトなものである必要もあった。上記のような条件をクリアしたうえで、ミサワホームは建設や補修をサポートするため、社員を観測隊の一員として派遣してきた。

ちなみに、昭和基地の建物に使用されている木質パネルは現在、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)対応商品であるミサワホームの最高級ブランド「センチュリー・プリモア」に標準採用されている。

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