実用化されると、物流に必要なものは、倉庫と配送ロボット、それと物流拠点間を結ぶ無人トラックとドローンだけ、ということになるかもしれません。物流の効率を向上させるので、技術的な問題さえ解決されれば、かなり急速に普及する可能性があります。
これによって、過疎地における買い物難民の問題が解決されることが期待されます。
店舗が要らなくなる?
ただし、自動配送にも問題がないわけではありません。進展すれば、リアルな店舗が不要になる可能性があるからです。
今「アマゾン効果」ということが問題とされています。これは、eコマース拡大によって実店舗が減っている現象です。
小売業の店舗数は、この10年間で2割程度減少しています。書店は、約3割程度減少していますが、現状では、宅配のための運転手が足りないことが、eコマース拡大の制約になっています。
ところが、自動運転トラックや配送ロボットは、この問題を解決することになります。すると、新しい「アマゾン効果」によって、実店舗の減少に拍車がかかる可能性があります。
これは都市の様相を大きく変える可能性があります 。
アメリカでは、新興国工業化の影響で製造業が縮小し、工場であったところがショッピングセンターになるという変化がこれまで生じていました。日本でも、モータリゼーションの進展によって郊外ショッピングセンターが成長しました。店舗そのものが不要となれば、ショッピングセンターも不要になります。
現在アメリカでは、アマゾン効果によってショッピングセンターが縮小しているのですが、この動きが、自動運転で決定的になる可能性があります。
自動運転の影響は以上にとどまりません。より大きな影響は、「自動車を所有しないで利用する」という形態が広がることによって生じます。これについては次回の連載で述べます。
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