他国が自動運転を導入していく中で日本だけがそれを認めなければ、日本の経済的地位が低下するのは不可避です。
したがって、さまざまな障害はあるにせよ、長期的にみれば、レベル5の自動運転がいずれ導入されることは、間違いありません。
地域間格差が是正され、都市内の地価は平準化
仮に自動運転が広範に導入されることとなれば、経済活動の空間的パターンが変わるでしょう。
日本全体としてみた場合には、過疎地や地方都市が、自動運転のメリットをより強く享受すると考えられます。
これらの地域においては、公共的な交通機関が未整備である場合が多く、それが地域経済の疲弊化をもたらしています。しかし、自動運転車が安いコストで利用できるようになれば、利便性が飛躍的に高まるはずです。
後述のように物流システムが無人化すれば、この傾向はさらに強まるでしょう。
このようにして、地域間格差が是正されることが期待されます。
都市の内部においても、土地利用のパターンが変わるでしょう。
鉄道駅の近くでなくても利便性が高まるので、地価分布はより平準化されたものになる可能性があります。
つまり、駅から離れていた場所が住みやすくなるので地価が上がり、逆に駅の近くの場所は相対的な優位性を失うのです。
また、物流の形態も大きく変わると予想されます。
トラックが無人化されれば、物流コストは低下し、効率が向上するでしょう。
さらに、配送ロボットというものが考えられており、さまざまな実証実験が始まっています。宅配拠点から配送先までの「ラスト1マイル」の配送を担うものです。
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