実利追求でトランプも一目置くメローニ伊首相のバランス外交が世界で注目を集めるワケ、アジア・インド太平洋地域との関係強化めざす

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2026年1月16日、訪日したイタリアのメローニ首相(左、写真:2026 Bloomberg Finance LP)

今、欧州で最も注目される政治指導者、イタリアのジョルジャ・メローニ首相(49歳)が2026年1月15日に娘のジネーブラちゃん(9歳)を連れて来日し、高市早苗首相との首脳会談を行った。

アメリカのトランプ大統領から全幅の信頼を得ているメローニ氏は、25年4月のワシントンでの首脳会談で、トランプ流のスローガン「アメリカを再び偉大に」に例え「西洋を再び偉大にする」という強い決意を示した。この言葉はアメリカ人の心を揺さぶった。それはなぜか。

「西洋を再び偉大に」

日本ではあまり知られていないが、18世紀から19世紀にかけての帝国主義時代、世界は大西洋の両端にあるアメリカとヨーロッパを中心に動いていた。戦後は、北大西洋条約機構(NATO)が大西洋同盟の核となったが、19世紀はヨーロッパの圧倒的な優位と、それに伴う産業革命の拡大、政治的革命、そして大規模な人的・物的交流によって大西洋世界は近代世界の中心的な役割を担っていた。

結果、19世紀の大西洋文明は産業、政治、社会のあらゆる面で近代化を推進し、現代世界を形作る基礎を築いた。ともにキリスト教を信じる白人が築いた結束を持つ文明には日本人が知らない「西洋」が存在した。

そもそも大西洋で語り継がれたアトランティス伝説にあって、19世紀にヨーロッパ諸言語と古代インドのサンスクリット語との共通性が認められ、その源となる言語を話したと想定される集団がナチスドイツのヒトラーも主張した「アーリア人」(「高貴な」の意)と呼ばれ、白人の祖先として想定されるようになった。

旧約聖書のノアの箱舟の大洪水で箱舟に乗船して生き残った民こそ、神に選ばれたアトランティスの民であり、アーリア人とされる白人という伝説は、今では考古学的、地質学的にありえないとされている。だが、実際、イギリスの白人ピューリタンがアメリカ大陸に17世紀前半から移住し、欧州大陸との交流を深めたことは事実で、世界の文明化、経済発展を牽引したのも事実だ。

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