実利追求でトランプも一目置くメローニ伊首相のバランス外交が世界で注目を集めるワケ、アジア・インド太平洋地域との関係強化めざす

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アメリカからのジャパンバッシングを受けた1980年代、筆者は取材に訪れたニューヨークをはじめいくつもの州で、日系企業がバッシングされているのに欧州企業は完全に受け入れられている事実を目撃し、衝撃を受けた。

アメリカは神が準備した大陸と信じ、イギリスを中心にピューリタンたちがプロテスタントの勤勉精神と職業を神から与えられた天職と見なし、勤勉に働く宗教的義務があるとするカルヴィニスト精神を持ち込み、短期間のうちに世界最強の国に成長した。

アメリカの背後につねに大西洋の対岸の欧州が存在したことは大きな意味を持った。トランプ政権の西半球外交は、伝統的なモンロー主義を「ドンロー主義」として再解釈・強化したものだ。

アメリカとヨーロッパの歴史的関係

西半球(カナダ、アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、キューバ、チリ、コロンビアなど)をアメリカの排他的勢力圏とみなし、他国(とくに中国やロシア)の介入を排除する姿勢が特徴だ。ただ、現在の西半球は東半球の欧州の存在なしには語れない深い歴史的関係がある。

一方、20世紀前半には、日本もイタリアもヒトラーのドイツと同盟国だったことで、アメリカにとっては悪の枢軸国だった。ところが今では実利を追求するアメリカに対して、利益重視の日本もイタリアも足並みを揃えている。

そもそも観念的ドイツ人、理論より実践・実利重視の経験主義のイギリス人、個の自由を追求するフランス人とは異なるイタリア人は現実主義でイデオロギーより損得で動くところに日本との親和性がある。

過去はともかく、日本の高市首相もメローニ氏も実利追求でバランス外交(とくに米中)が得意なところが好感を持たれている。2人とも国内政治での右派色を抑えた現実路線が、トランプ外交を支える強力なサポーターとの印象を与えている。

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