メックリン氏に直接話す機会があったので、「映画として制作したのか、それともゲームコンテンツを意識して制作したのか?」と直接尋ねると、「そう質問されることが多いけど、90分を基本に1本の新しい映画として制作した。通常の映画との違いは、ラストのパターンが5つあること。それぞれのラストにたどり着くまでに何通りもあるシーンを練っていった。撮影すべきシーンが膨大な量になり大変だったよ」と本音を交えながら、答えが返ってきました。
気になる製作費については明確な答えを聞き出せませんでしたが、「制作規模は数話分のNetflixオリジナルシリーズとそう変わらない」とのこと。数百億円規模には達しないが、十数億円程度と考えてよさそうです。
『バンダースナッチ』も賞レースにおいて評価を得ています。今年9月に行われた第71回エミー賞で「リミテッド・シリーズ/テレビ映画部門」でテレビ映画作品賞を受賞しました。
ニッチ層に刺さるコンテンツにもチャンスが
韓国の会議にはNetflixオリジナルシリーズ統括ディレクターのアンディ・ウェル氏も出席し、カンファレンスで「『ブラック・ミラー』はNetflixで展開されることによって、イギリスから世界に人気が広がっていった。SNSなどを通じて、世界各地でファンの熱気を感じ、『ブラック・ミラー』は国際的に愛される作品であることを、シーズンを追うごとに実感している」と話していました。
また『バンダースナッチ』のようなインタラクティブ映画を今後、計画していく方針も明かしました。
動画配信全盛の時代になり、ローカルからグローバルにコンテンツが広がりやすくなっていることは間違いありません。
メックリン氏は「『バンダースナッチ』のような地上波のタイムテーブルではできない企画も配信では試みることができる。世界の視聴者は多様なコンテンツを求めていることがわかった」と話していたのも印象に残りました。
広い層にヒットを狙うことだけ考えた企画だけでなく、ニッチな層にしっかり刺さるコンテンツにもチャンスが作られています。日本からもそんな成功例が生まれることを期待します。
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