「ブラック・ミラー」はそのチャンネル4で2011年12月4日から放送が始まり、2014年までシーズン1と2が放送されました。そして、シーズン3はNetflixがチャンネル4にNetflixオリジナルドラマとして制作発注する形で作られます。配信時期は各国によって状況が異なりますが、日本では2015年9月2日のNetflix上陸と同時にラインナップに入りました。
その後、人気作品であることを証明するかのようにシリーズ展開が続き、現在シーズン5まで配信されています。またシーズン3の「サン・ジュニペロ」とシーズン4の「宇宙船カリスター号」はエミー賞を獲得し、実力派作品としてのブランドも確立しています。
Netflixで展開されることによって確実にファンを増やし、SF好きの間でも知る人ぞ知る作品として認識されていった理由には、ヒットを狙うあまりにありがちな「間口の広げ過ぎ」が「ブラック・ミラー」にはないことも挙げられます。人気が出ても、誰もが知っているような有名女優や俳優を起用せず、派手なPRもしません。クオリティーだけで勝負する。そんなスタンスをシリーズ全体で保っています。
Netflix初のインタラクティブ映画も
「ブラック・ミラー」シリーズから映画版も作られています。映画と言っても、劇場公開はされていません。Netflixが劇場公開を必須の条件としない作品も「映画」として独自に設定し、Netflixオリジナルの1つとして作品数をここのところ増やしています。
その映画版も「ブラック・ミラー」らしい企画で話題を呼んでいます。タイトルは『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』(2018年12月よりNetflix独占配信)。映画版の舞台はドラマシリーズで統一された近未来ではなく、トレンドの1980年代。ビデオゲーム開発のチャンスをつかんだイギリス人の若い男性プログラマーが主役です。
何が話題なのかというと、Netflix初のインタラクティブ映画だからです。主役のプログラマーが選択を迫られるシーンで、その選択肢を視聴者に委ねられます。シリアルのメーカーを選ぶといった軽いものから、仕事のチャンスや生死に関わる重要な選択まで、視聴者が選んでいきながら、話を進めていきます。
ロールプレイングゲームのようにキャラクターを操作しているような感覚に陥り、没入感が増します。なお、特別なゲーム機器は必要とせず、通常の視聴環境で楽しめます。
先月、韓国・仁川で行われた「アジアドラマカンファレンス」というアジアのドラマ脚本家とプロデューサーのための国際会議にこの『バンダースナッチ』のプロデューサー、ロセル・メックリン氏がゲスト参加し、制作過程などを語る場面が作られました。
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