イギリス版「世にも奇妙な物語」?
日本発ドラマも今はNetflixを通じて、世界にファンを作るチャンスが広がっています。「全裸監督」(参考記事:村西とおる主役ドラマをNetflixが作る思惑)のように、映像化をゼロから立ち上げた完全オリジナル作品から、地上波テレビシリーズから生まれた「深夜食堂」や「テラスハウス」、また札幌ローカル局発の「チャンネルはそのまま!」まで、ネタ元からみたバリエーションもさまざまです。
そんななか、世界では自国向けに低予算で作られたドラマが思わぬ形でワールドヒットとなり、数億規模の制作費でシリーズ展開につながる話も少なくありません。イギリス発のSFドラマ「ブラック・ミラー」はまさにその成功例でしょう。
「ブラック・ミラー」は近未来を舞台に、オムニバス形式で構成された作品です。日本のドラマで例えるなら「世にも奇妙な物語」、往年のアメリカのテレビドラマシリーズ「トワライト・ゾーン」のような世界観を持った作品としてよく紹介されています。
エピソードの多くはテクノロジー社会を風刺する極上のブラックユーモアを効かせたものが特徴。ハッピーエンドもバッドエンドも受け入れる度量のある大人向けの話が並んでいます。「もしかしたら、近い将来、こんなことが現実に起こりうるかもしれない。自分だったら?」と、自分事に置き換えやすい内容もこの作品の醍醐味です。
世界ヒットまでの軌跡をたどると、イギリスの地上波で放送された企画がきっかけとなったことがわかります。はじめに放送されたのは世界のBBCでもイギリス民放最大手のITVでもなく、公共放送のチャンネル4。若者やマイノリティーの視聴者層を意識して編成される番組が多い放送局です。
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