高校、大学、社会人。いつプロ入りすべきか プロ野球選手とタイミング

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回り道したからこその人間的成長

高校、大学、社会人のどのタイミングでプロ入りすれば、成功する確率は高くなるのか? 個人的な意見を言えば、高卒で入団したほうが成功確率は高まると思う。毎年、春季キャンプ前の合同自主トレに参加した新人選手は、「プロの練習はキツイ」と口をそろえる。それだけ、最高峰の世界では鍛えられるということだ。

一方、大学や社会人を経るメリットとしては、プロ入りまでに環境の変化を体験できることが大きい。さまざまな人に出会い、学びの機会を得て、人間的に成長できる。吉田は大学、社会人を経験したからこそ、高校時代のケガを前向きにとらえられるようになった。自ら考えて成長できる選手なら、大学や社会人を経てのプロ入りでも決して遅くはない。

レンジャーズのダルビッシュ有やヤンキースに旅立った田中将大のように、高卒のほうが後の大選手になる可能性は高い。しかし、ソフトバンクの攝津正や西武の牧田和久のように、社会人からプロ入り後に大きく羽ばたいた選手も少なからずいる。

吉田も、その系譜を継ぐ可能性を大いに秘めている。

(=敬称略)

中島 大輔 スポーツライター

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なかじま だいすけ / Daisuke Nakajima

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。2005年夏、セルティックに移籍した中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に野球界の根深い構造問題を描いた「野球消滅」。「中南米野球はなぜ強いのか」(亜紀書房)で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。NewsPicksのスポーツ記事を担当。文春野球で西武の監督代行を務める。

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